カナダ政府は、自国産牛肉の輸入再開を認めていない韓国を、世界貿易機関(WTO)に提訴した。10日、農林水産食品部(農食品部)によると、カナダ政府は、我が政府のカナダ産牛肉の輸入禁止や、「家畜伝染病予防法」の関連条項がWTOの協定に反すると、提訴を強行した。
カナダ側は先月、ゲリー・リッツ農林・農食品部連邦長官が、韓国側の張太平(チャン・テピョン)農食品部長官と会って、3月末までカナダ産牛肉の輸入再開を約束しなければ、WTOに提訴することもありうると示唆した。ゲリー長官は、「(カナダ産牛肉の輸入再開問題は)6年間解決されておらず、一定の線引きをしてから次のステップに移る時期にきている」とした上で、「国際獣疫事務局(OIE)でも、カナダ産牛肉は安全だと判断しているだけに、韓国はカナダ産牛肉の安全性を認めるべきだ」と迫った。
これについて、韓国政府は、「カナダ産牛肉の安全性に対する国民の共感を引き出すだけの時間が必要であり、上半期(1〜6月)の輸入再開は無理だ」とした上で、「6月のWTOの衛生検疫(SPS)協定時期を前後にして、技術協議を別途、開こう」と回答した。カナダはこれを拒否し、WTOへの提訴に踏み切ったのである。
カナダ側が9日、ジュネーブ代表部を通じて、提訴を受けての初の後続手続きである「二者間協議」を、農食品部に要請したことを受け、韓国は30日内に協議に応じなければならない。二者間協議を通じて、60日内に合意に達しなければ、一種の国際裁判である紛争解決パネルへと移ることになる。
張長官は9日、記者会見を開き、「できるだけ堂々とした態度で対応する」とした上で、「(紛争の)進行過程において、カナダとの二者間交渉が可能となれば、妥結できるよう努力する必要もある」と語った。
カナダ産牛肉は03年5月、カナダで初の狂牛病(BSE)牛が見つかったことを受け、輸入が前面中止となった。07年5月、米国と共にOIEから、「BSE危険統制国」の地位を得ると、韓国への輸入再開を本格的に要請し始めた。しかし昨年11月、カナダで15頭目の狂牛病牛が発生し、交渉は進んでいない。
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