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[オピニオン]借名通帳の所有者

Posted March. 21, 2009 09:04,   

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金泳三(キム・ヨンサム)政府時代の95年10月19日、朴啓東(パク・ケドン)当時民主党議員(現国会事務総長)は、国会で、対政府質疑を通じて、盧泰愚(ノ・テウ)元大統領の秘密資金疑惑を提起した。朴議員は、「新韓(シンハン)銀行西小門(ソソムン)支店に、300億ウォンが3つの借名口座に100億ウォンずつ分けて預金されていることを確認した」として、預金残高の照会表を公開した。軍事クーデターで政権を取った政治軍人が、天文学的な富みを蓄えていた事実が明らかになり、全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚両元大統領が拘束される事態となった。「成功したクーデター」の立役者に対する司法的断罪の出発点は、軍事反乱ではなく、まさに「カネの逆襲」であり、金融機関の借名口座が口火となった。

◆借名口座とは、他人の名前を借りたり、盗用したりして作った金融取引口座をいう。誠実に暮す一般の人々は、他人名義の通帳を開設する必要はない。一部の腐敗した政治家や公職者、企業家が、収賄や横領で得た「ブラックマネー」を隠そうとして作るケースが多い。鄭大根(チョン・テグン)元農協中央会長と金民錫(キム・ミンソク)民主党最高委員の収賄事件、全羅南道海南邑(チョンラナムド・ヘナムウプ)事務所の7級公務員の福祉給与横領事件の時も、借名口座が登場した。

◆カネへの欲は、親子や兄弟の仲を引き裂くこともある。カネのこのような威力のためか、口座に名前を貸した名義者と実際の持ち主の間で、カネの所有者をめぐる争いがしばしば起こる。盧泰愚元大統領は、実弟の盧載愚(ノ・ジェウ)氏と、朴哲彦(パク・チョルオン)元政務長官は、ある大学の舞踊科教授と法廷闘争をしている。大株主や会社の裏金口座に名義を貸した役員が、カネに目がくらんで事を起こしたり、脅迫したりするため、頭を抱えた企業もあった。

◆最高裁判所は19日、「金融実名取引及び秘密保障に関する法律の趣旨によって、借名口座のカネは、実の持ち主が別にいても、口座名義者のものと見なければならない」という判決を下した。いくら実の持ち主であっても、他人の名義を借りて作った口座に対する所有権を主張することは難しくなった。この判決は、金融実名制を堅固にし、韓国社会の透明性を高めるものと期待される。自分のカネが踏み倒されるか心配で夜も眠れない人が増え、この機に儲けようと豹変する人が増えそうだが・・・。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com