Go to contents

[社説]警察のトップがいつまで不法暴力の犠牲にならなければならないのか

[社説]警察のトップがいつまで不法暴力の犠牲にならなければならないのか

Posted February. 11, 2009 09:41,   

한국어

警察庁長に内定していた金碩基(キム・ソクギ)氏が、龍山(ヨンサン)撤去民死亡事件に対する道義的な責任を負って自ら辞退した。政府も金氏をそのまま据えておくと国会の正常な運営が難しく、国政運営に負担になると判断した模様だ。暴力デモに対する鎮圧と関連し、警察庁長または内定者が辞退したのは、許准栄(ホ・ジュンヨン)元庁長に続いて二度目だ。現場の第一線では、法秩序を守る警察の士気が低下せざるをえない。

韓国社会は不法暴力で目的を達成しようとする「おねだり法」が実定法より上位にあると言っても過言ではない。この根源を辿れば、正統性が弱かった軍事独裁政権にまで遡るだろうが、平和的な意思表現の自由が保障された民主化以後もこのような状況が続くのは、多数の国民の利益と国の将来のため、決して望ましくない。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府の大統領府は暴力デモを主導する勢力を政治的に庇護した。許元庁長は、「刑務所に収監された経験のある秘書官らが不法デモのため連行された人を釈放せよと私に要求してきた」と打ち明けた。

大統領府の386世代(1960年代に生まれて80年代に大学に通った世代)の秘書官が不法デモの扇動役の友人や先輩・後輩を庇護していたため、ソウル都心で週末ごとに鉄パイプと竹棒が飛び交っても警察は傍観した。許元庁長は05年、竹槍と鉄パイプを振り回したデモ隊を鎮圧する過程で農民が死亡した事件に責任を負って辞退した。盧政権は予算案の処理で民主労働党の協力を取り付けるため、彼を犠牲にした。

李明博(イ・ミョンバク)政府に入っても不法暴力デモが権力喪失感に落ちている反政府勢力と連携し常習化した。ろうそくデモ隊は3ヵ月間、都心を占拠して警察を暴行し、マスコミ各社にテロを加え、大統領府を威嚇した。今回の龍山デモ隊も都心の真っ只中で火炎瓶、煙瓦、ゴルフボールを飛ばした。シンナーを撒いた後、火炎瓶を投げたため、金ナムフン警査が若い年にして息を引き取った。

政府が警察トップを「政局安定の犠牲」にし続けると、警察は不法暴力デモの前で弱い存在に転落してしまう。デモ隊に叩かれる警察を民主主義の先進国では見かけられない。不法暴力デモの鎮圧のため辞退をする警察トップがこれ以上は出ないようにしてこそ、不法暴力デモの輪を立ち切り、法秩序を正しく打ち立てることができる。対国民説得において、暴力勢力やその庇護勢力の攻勢に負けてしまう政府の無能さと無気力さが金碩基内定者の落馬の一つの要因だという事実も国家的な悲劇だ。