米国のような先進国では、災害が発生したり、親や恋人が事件や事故で亡くなったりした時、精神科を訪れる人が多い。心的衝撃と深い喪失感による心の傷を治療するためだ。精神科を訪れ、カウンセリングを受けることを負担に思わない。プロゴルファーが、成績不振の時、精神科を訪れ原因を突き止め、治療を受けるケースもよくあることだ。心と身は分離しているのではなく、関係があると信じるのも、その理由だろう。
◆韓国の人々は、少々のことでは精神科には行かない。たとえ行ったとしても、近い人にすら言わずに隠す。精神科という単語が与えるニュアンスと人々の偏見のため、「狂った人」と誤解されないか心配するためだ。しかし、実際に精神科で扱う病気や症状がどれほど多彩か知らない人が多い。精神科では、深刻な精神分裂症のほかにも、うつ病、対人忌避症、不安障害をはじめ、ストレスが原因の様々な症状を診療する。それだけでなく、アルコール中毒やインターネット中毒、学習障害も、精神科の診療対象に含まれる。
◆米国では、1950〜60年代、病院の診療科目の細分化過程で、精神科と神経科が分離した。韓国では1982年以前は神経精神科で通用したが、1982年に大韓神経精神医学会から大韓神経科学会が分離し、精神科と神経科に分かれた。まだ神経精神科と診療科目を表記する医師は、1982年以前に専門医を取得した医師が大半だ。しかし、米国では、脳科学の発達で、精神科と神経科の患者をともに診たり、合わせたりするのが最近の傾向だ。
◆神経精神医学会が、精神科という診療科目の名称を変えることを決め、代案を捜している。うつ病のために自殺する芸能人や一般人が増えているが、うつ病の症状がある人々は、精神科という名称のため、病院を訪れることを忌避するケースが多いためだ。うつ病は、「心の風邪」と呼ばれるほど珍しくなく、治療も容易だが、放っておけば自殺の衝動を起こし、深刻な結果を生む恐れがある。うつ病患者の90%が、治療を受けていないのが現実だ。人を生かし、生活の質を高めるのに役立つなら、精神科の改名も考慮してみるべきだろう。
権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com






