北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の「健康悪化説」が流れる度に欠かさず登場するのが、海外の医療陣の訪朝だ。今回も、8月半ばに中国の医療スタッフ3人とフランスの医療スタッフ2チームが、北朝鮮に秘密裏に入国したことが把握されている。
北朝鮮はなぜ、最も重要な秘密が暴露される負担に甘んじてまで、海外の医療陣を招くのだろうか。
金総書記の医療チームは、世界最先端の設備を持っている。医療の水準も、脳卒中程度なら十分に治療できる最高の実力者で構成されている。
しかし、神のように崇められている金総書記の体にメスを入れる行為は、自分の命だけでなく、家門が滅亡するかもしれない危険な冒険だ。特に、結果を確約できない手術である場合はなおさらだ。もし手術が失敗して後遺症でも残れば、大変だ。
このような点のため、金総書記の医療チームが簡単な応急処置をし、危険な状態を脱した後、率先して海外の医療チームを呼び入れた可能性がかなり高い。
海外の医療チームを呼ぶうえで、一番近いのは中国だ。その次は、たいていが欧州の医療チームだ。近い日本や米国などにも有能な医師はいるが、北朝鮮との関係を考慮すると、信じて招くことができる医療陣は、中国、ロシア、欧州の順だと言える。
94年に死去した金日成(キム・イルソン)主席のケースは、北朝鮮の医療チームの限界に大きな示唆を与えている。金主席は、初期の簡単な応急手術で助かる心臓狭心症のために死亡した。側近の医療チームが、プレッシャーを感じて決断を下すことができず、右往左往して、最も重要な初期対応の時間を逸したため、手の施しようがないほど悪化した可能性が高い。
zsh75@donga.com






