産業界で労使無争議宣言や平和的な賃金・団体交渉の妥結が相次いでいる。最近悪化した経営環境を労使の和合で乗り切っていこうという試みと受け止められる。この中では、グループ全体が無争議の賃金・団体交渉の妥結に漕ぎつけたり、労組側から賃金の凍結を決めた企業も少なくない。
31日、ソウル瑞草区蠶院洞(ソチョグ・チャムウォンドン)のロッテ七星(チルソン)飲料の本社では、同社の労組代表と役職員が出席し、「労使平和宣言式」が開かれた。ロッテ七星飲料は、1974年労組結成以降、35年間無紛糾の賃金・団体交渉の妥結の伝統を受け継いでいるが、同日の行事では労使双方が「恒久的無争議」を宣言した。また同社の労組は今年、賃金調整権限を使用者側に委任することにした。
STX造船は同日、無紛糾の賃金・団体交渉の妥結を達成したと発表した。STXグループは、01年設立以後、系列の8社全社が8年連続無争議で団体交渉を終えた。
毎日(メイル)乳業も同日、「賃金・団体交渉の妥結および労使和合宣言の調印式」を行った。昨年5月、労使双方が「経営パートナーシップ」協約を締結した後、2年連続無争議で交渉が妥結した。同社は、「原乳の価格など原材料価格の高騰によって悪化した経営環境を踏まえ、労使双方が消耗的な対立は避けた方がいいと判断した」と明らかにした。
これに先立ち、大韓航空の操縦士労組は29日開かれた総会で、今年、自発的に賃金を凍結することを決議した。1999年労組設立以後、賃金凍結の決議は今回が初めて。原油高の影響を直接的に受けている航空業界の経営環境の悪化を労使の和合で乗り切ろうという意志が反映されたものだと、同社は説明している。
数年間にわたって無争議で賃金交渉を妥結している企業も少なくない。(株)韓化(ハンファ)の労組は昨年に続いて今年5月、賃金に関する全ての事項を会社側に委任した。韓化は1987年以後、22年間無争議の伝統を受け継いでいる。ハイニックス半導体は3月、賃金を凍結することに労使が合意した。同社は1987年から21年間、労使争議が起きていない。
先月には大宇(デウ)造船海洋、現代(ヒョンデ)重工業、現代尾浦(ミポ)造船などが賃金交渉を妥結した。大宇造船は18年、現代重工業と現代尾浦造船はそれぞれ14年と12年連続平和的な賃金交渉の妥結だ。
財界では無争議妥結の拡散を、企業の経営環境の悪化に対する労働者の自救努力と解釈している。
韓国経営者総協会の金ドンウク経済調査チーム長は、「景気が良くない時、労働者らは賃上げ闘争よりは雇用安定の優先席に考慮するようになる」と述べ、「このような労使交渉のパターンは、先進国ではもう広範囲に見られる現象で、韓国にも最近、このようなムードが広がりつつある」と説明している。
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