
●最初のロケット搭乗動物はハエ
宇宙開発初期、科学者らは主に宇宙での生存可能性を確認するため、動物を活用した。最初のテープを切った動物はハエだった。1947年、米国は第2次世界大戦直後、ナチスドイツから入手したV2ロケットにハエを乗せて、大気圏へと打ち上げた。宇宙に生命体を打ち上げる前に、宇宙放射線が生命体に及ぼす影響を測定する任務が与えられた。
その翌年の1948年、米国は「アルバート1世」と「アルバート2世」という名の赤毛のサルをV2ロケットに乗せることにした。アルバート2世は133キロにもなる距離の飛行に成功したものの、パラシュートが広がらず、帰還には失敗した。1951年、「ヨリック」は、一緒に搭乗した11匹のハツカネズミと共に、生きたままロケット飛行に成功した最初のサルとなった。
サルとネズミに着目した米国とは違って、旧ソ連は人間に代わる候補として犬を選んだ。犬はサルより気難しくなく、飛行により適しているという判断によるものだった。
1951年、旧ソ連の政府は新たに開発したR−1ロケットに2頭の犬を乗せた。この犬らは宇宙軌道にまでは入れなかったものの、ロケット飛行に成功した最初の犬として記録された。その後、1957年スプートニク2号に乗って宇宙へと向かった「ライカー」は、宇宙軌道を飛行した最初の動物として記録に残っている。1961年、旧ソ連の宇宙飛行士、ガガーリンがはじめて宇宙飛行に成功するまで、ロケットに乗せられた犬は10匹を超え、これらのほとんどは打ち上げや帰還の過程で命を落とした。
●人間の夢を実現した有意義な犠牲
自信を持つようになった科学者らは安全な帰還や宇宙での活動に関心を持ち始めた。1958年、米海軍が訓練させたリスザルの「ゴルド」は、大陸間弾道ミサイルに乗せられて、無事に宇宙軌道に入った。ゴルドは帰還の過程で、自分の体の10倍以上の重さに耐え、宇宙飛行士の安全な帰還の可能性を切り開いた。しかし、最終的な着陸過程で受けた衝撃で命を落としてしまった。そのおかげで、同年打ち上げられたサルの「エイブル」と「ベーカー」は、450キロ上空まで打ち上げられた後、無事に生還することができた。
「スペースチムス」の主人公のハム3世の祖父と言われる「ハム」は、1961年、米国が打ち上げたレッドストーンのロケットに乗せられて、宇宙へと向かった実在したチンパンジー。ハムには宇宙船に取り付けられた模型計器版を操作する任務が与えられた。人間に最も近いハムは、無重力の環境で、宇宙飛行士が複雑な計器板を正常に操作できることを証明した。
宇宙に長期間滞在する動物も誕生した。1966年に打ち上げられた「ベターロック」や「ユゴリオーク」というロシア犬は、コスモス110号で22日間も滞在して戻ってきた。これらの滞在記録は、人間が1974年になってようやく破ることができた。
●韓国の最初の宇宙動物はショウジョウバエ
1960年代や70年代を経て、宇宙への旅をした動物は多様化した。1961年、旧ソ連はボストーク3AG号に、ネズミやモルモット、カエルを乗せて送った。フランスは脳波測定装置を取り付けた「フェリックス」という猫を宇宙へと送った。その後もクモやカタツムリ、鯉、メダカ、タラ、ウズラ、マイマイガの宇宙飛行が相次いだ。
アジアでは中国が1990年、実験用のモルモットを、日本が1995年、両生類を宇宙に送ったのに、韓国はいまだ自主開発したロケットで宇宙へ動物を行かせたことがない。しかも送った動物といえば今年の4月、韓国初の宇宙飛行士の李ソヨン氏が国際宇宙ステーション(ISS)に持って行ったショウジョウバエの1000匹がそのすべてだ。同月19日、李氏と共に生還したショウジョウバエは600匹。科学者らは長期間の宇宙旅行で起こる人の体の変化の研究にこれを活かす予定だ。
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