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[オピニオン]全教組流の「牛肉垂れ幕」

Posted July. 04, 2008 07:09,   

憲法第31条の「教育の政治的中立」の条項が見掛け倒しになりつつある。全国教職員労働組合(全教組)が政治的、理念的な活動を拡大し、純粋であるべき学校をさらに汚しているからだ。全国の9000あまりの学校に米国産牛肉の輸入に反対する垂れ幕が、全教組の名の下で、近いうちに掲げられることになった。全教組本部が分会を置いているこれらの学校に指示したためだ。全教組は同様の内容を盛り込んだ家庭通信書を送ることにした。校長が発送に反対する学校では、担任の教師が直接通信書を送る。このように、全教組の思うままになれば、学校内の秩序は跡形もなく崩れることになる。

◆全教組のこのような活動はもちろん違法だ。牛肉問題は食品安全の問題を超えた左派陣営の「政権揺さぶり」へと変質し、全教組はその先頭に立っている。教員労組法では、全教組の政治活動をすべて禁じており、これだけ見ても「政治的な中立」を違反したことになる。「牛肉垂れ幕」の設置は、一歩進んで、政治活動の舞台を街頭から学校へと拡大するという宣戦布告だ。学校という空間や家庭通信文まで牛肉反対への闘争のための宣伝道具として活用するということだ。近いうちに夏休みが始まり、生徒たちの集会への参加が減ることをにらんで、最後にひと暴れでもしてみる気なのか。

◆教育基本法第14条では、「教員は特定政党や政派を支持したり反対するために、生徒たちを指導したり扇動してはならない」と明記している。このような常識の通じない韓国教育に絶望を感じずにはいられない。それでも物足りず、全教組はすべての組合員にろうそく集会への参加を促すことにしたと明らかにした。ろうそく集会は政権退陣を要求する政治の場と変わってしまった。最近、デモに登場する掛け声のように、政権と太刀打ちでもしてみる気なのか。政府は教育法を形骸化させたくなければ、見境い無しに振舞う一部の教師に対しては厳しく対応すべきだ。

◆全教組の教師たちは垂れ幕を掲げたければ、自宅に掲げれば済むことだ。教師の政治的な主張は個人の意見表示のレベルを超えてはならないからだ。父兄は子供を預けている教師が全教組所属であるかどうか知るすべがない。これを機に、全教組教師らは、父兄に所属を明らかにしたほうがよい。それこそ、教育需要者に対する最小限の倫理であるだろう。

洪贊植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com