インターネットの世界では、ユーザーが増えれば増えるほど、ネットワークの価値が高まる。インターネット技術の開発者であるボブ・メトカーフの名前を取ったいわゆる「メトカーフの法則」だ。それによると、ネットワークの価値は、参加者数の二乗に比例する。難しく説明するまでもない。インターネットのユーザーが増えれば増えるほど、情報とともに影響力も倍増する。ネットのこのような属性は、主権在民という民主主義の価値とも符合する。原論的に、国民が政治過程に多く参加すればするほど、民主主義は増進される。
◆しかし、すべての国民がいつでもどこでも直接民主主義をすることはできないため、代議民主主義が不可避だ。問題は、代議民主制下の国民参加は、制限的にならざるを得ないということにある。フランスの思想家ルソーは、「国民が大口をたたける時期は、国会議員を選出する期間だけだ」と言った。ただでさえ、世論と政治の間には、時間的乖離が現われる。インターネットは、随時に変わる世論を十分につかめない代議民主主義を補完する通路になる可能性を見せている。
◆しかし、民主主義が多数決の原則を超え、多数の横暴に変わり得るように、インターネットも同様だ。インターネットでは、権力機関が情報を独占したり、新聞のようなオールド・メディアが世論を主導したりすることは、構造的に不可能だ。政治学者のコラッドとファイアストーンは、「インターネットは、官僚、政治家、利益集団による情報依存度を弱体化させる」と指摘した。いっぽう、確認できない情報の流通やレスによる世論形成の威力は莫大だ。このような環境が群衆心理を刺激して、ポピュリズムを招くことになる。
◆小説家の李文烈(イ・ムンヨル)氏が、「ろうそく集会は、本質は偉大だが、一方では恐るべきデジタル・ポピュリズムの勝利」と記者に言った。果たすことが難しい事を果たしたという点では偉大であり、さらなる重要な問題にこのような現象が通用するなら恐ろしいという意味だと説明した。ポピュリズムの特徴の一つは、大衆の理性ではなく、感性が判断の根拠になるという点だ。匿名性という保護膜をまとったネット空間では、事案に対する冷徹な接近よりも、感性が力を発揮しやすい。世界最高のインターネット大国である韓国のネット文化が、民主主義の砦になるのか、ポピュリズムの震源地になるのかが、ろうそく集会でその試験台に上げられた。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com






