米国産牛肉輸入に反対する狂牛病(牛海綿状脳症=BSE)国民対策委員会(対策委)が、6・10民主抗争21周年の10日、「100万ろうそく大行進」を実施することを明らかにした。対策委は、故李韓烈(イ・ハンヨル)君の国民葬まで再び行うという。李君の母親と大学生たちが、延世(ヨンセ)大学からソウル市庁前まで、李君の遺影を持って行なった行進を再び実施するというのだ。米国産牛肉輸入反対のために結成された対策委が、6・10民主抗争まで持ち出して、デモを拡大する理由は釈然としない。
牛肉問題に乗じて、「第2の6月抗争」でも狙っているとしたら、事態の本質を見誤っていると言わざるを得ない。6月抗争は、軍事反乱と光州(クァンジュ)流血鎮圧で政権を獲得し、正統性のない全斗煥(チョン・ドゥファン)政権が、強圧統治と政権延長を図ったことに対する国民的な抵抗だった。狂牛病に対する不安から起こったろうそくデモを、そのような抗争とどうして同列に並べることができるのか。
結局、対策委をはじめとする一部デモ勢力は、李明博(イ・ミョンバク)政権の退陣のために「ろうそく民心」を悪用していることを自ら露呈したようなものだ。彼らはすでに、「大統領府に行こう」というスローガンや行動で、デモの意図がどこにあるかを示した。憲法学者の許営(ホ・ヨン)前延世(ヨンセ)大学教授は、「盲目的に大統領府に向かって進撃することは、憲政秩序を揺るがす行為だ」と指摘した。
民主的な選挙で選出された合法政権を、何の法的根拠もなく退陣せよと言うことは、憲政秩序と民主主義に対する挑戦である。このようなやり方で、建国を果たし、発展させてきた国家の憲政を脅かしてもいいものか。建国60年の成就を破壊しようとするこのような行動は、政府だけでなく、大多数の国民も決して受け入れないだろう。李大統領を選んだ先の大統領選挙の結果も、国民が選択したものだ。牛肉輸入の決定や新政府の人事などに問題があるからといって、その選択を覆す合法的根拠にはならない。一部メディアは、これを「街頭民主主義」と言うが、韓国憲法は議会制民主主義を根幹にしている。
ろうそくデモは6日夜から、一部で暴力的様相を示している。一部の参加者が、鉄パイプや角材、シャベル、かなづちなどで、警察車両19台を破壊し、制止する警察と衝突した。デモ隊と警察の双方に多くの負傷者が出た。幸い、大半のデモ参加者は暴力に反対した。
平和デモの結果が気に入らないからと暴力を振るえば、民心も背を向ける。政府も、自らの権威をこれ以上放棄せず、憲政秩序を守護するための公権力行使のマジノ線(Maginot Line)を明確にし、執行しなければならない。






