米国産牛肉の輸入をめぐる波紋が止まる気配を見せずに広がっている。インターネット上は言うまでもなく、中高生まで加わった街頭ロウソク集会でも政府を糾弾する声が高まっている。大統領弾劾の主張が公然と取りざたされているところだ。野党は頑として従来の交渉の無効と再交渉を要求している。それなのに、政府与党の対処は無気力極まりない。
米国産牛肉をめぐる対立で理性的で科学的なアプローチは姿を消した。米国産牛肉問題の核心は、狂牛病の脅威から果たして安全であるかどうかである。30ヵ月以上の牛肉で狂牛病の危険物質(SRM)を確実に取り除いたのかを徹底的に選別する検疫の手続きも重要だ。それなのに、米国産牛肉の輸入反対運動の勢力は、このような本質的な問題には見向きもせず、根も葉もない主張と憶測で事を捻じ曲げて、政治闘争へ持っていくのに忙しい。
特に、政界が理性を取り戻さねばならない。統合民主党は国会牛肉聴聞会で政府が全面的な再交渉の要求を受け入れなければ、米国産牛肉の再解放を無効化する特別法を発議するとしている。交渉の問題点を追及する聴聞会を開こうとしておきながら、何が問題なのかを把握する前に、再交渉のカードから持ちだすことは論理的に合っているのか。国家間交渉の無効化と再交渉を簡単に口にすることは、責任のある公党の姿勢ではない。
政府は問題が膨らんだ後、遅れてさまざまな対策を打ち出している。日本、台湾との交渉結果を見た後、米国に交渉の部分修正を求めるとしたり、韓国への輸出用の牛肉を生産する作業場に点検団を派遣して衛星・検疫の状況を把握し、検疫管を常駐させるという案も出た。早くから全てのことを透明に公開し、対策作りと共に国民に理解を求めていたら、事がこれほど悪化することはなかっただろう。
明日、国会で牛肉聴聞会が予定されている。消耗的な論争を中断し、「公論の場」で生産的な代案を見出すべきである。政府が誠意のある答弁と合理的な対策作りで国民の不安を解消しなければならない。米国産牛肉をめぐる現在の攻防は、成熟した大韓民国の姿とは程遠い。






