当たらない世論調査、どうして？

総選挙が目前に迫ったが、世論調査機関の発表した選挙区別情勢が調査機関によって異なる選挙区が少なくなく、有権者を混乱させていると指摘する声が高い。このような傾向は第１６、１７代の総選挙でも見られた現象だが、調査方法や精度においてあまり改善が進んでいないという評価が多い。

各世論調査機関は、総選挙は選挙区によって突発的な影響要因が多く、調査時点などによっても結果が変わる可能性があると説明している。

●世論調査と投票、正反対の結果も

本紙が２００４年に行われた第１７代総選挙（４月１５日）を控えて実施した世論調査資料の分析でも、１位と２位の差が１０％以上もあった選挙区のうち、支持率と当落が逆だったのは１３選挙区もあった。

ソウル鍾路（チョンノ）では同年３月３１日に実施したＴＮＳの調査でヨルリン・ウリ党の金洪信（キム・ホンシン）候補が４１．２％と、ハンナラ党の朴振（パク・ジン）候補（３０％）を１１．２ポイント差で引き離していたが、実際の投票では朴候補が５８８票差で当選した。

ソウル東大門（トンデムン）乙も、３月３０日実施の韓国ギャラップの調査では、ハンナラ党の洪準杓（ホン・ジュンピョ）候補が２５．２％に止まり、４０．８％の支持率を見せたウリ党の許仁会（ホ・インフェ）候補に大きく差をつけられていたが、選挙結果は洪候補の勝利だった。

全羅南道木浦（チョルラナムド・モクポ）でメディアリサーチが３月３１日に実施した調査では、ウリ党の金デジュン候補が民主党の李サンヨル候補に１６．２％差でリードしていたが、投票では１０．３％差で負けた。

２０００年の第１６代総選挙（４月１３日実施）では、ソウル恩坪（ウンピョン）甲で選挙を約２０日後に控えて実施された世論調査で、民主党の孫世一（ソン・セイル）候補が３６．３％、ハンナラ党の姜仁燮（カン・インソプ）候補が２７．１％だった。しかし、実際の得票では姜候補が４３．５％、孫候補が３７．７％と逆の結果が出た。

●放送局の出口調査もずれた

世論調査に劣らず、正確な把握にてこずっているのが選挙日の出口調査だ。投票を終えて、投票所から１００メートル以上離れた有権者に限って調査が認められるが、当日午後６時に公表された調査結果が、夜１０時頃に正式に判明する開票結果とずれる現象が繰り返された。

ＫＢＳは第１７代総選挙の投票が締め切られた２００４年４月１５日午後６時に出口調査の結果を公開し、予想当選者を伝えた。

「鍾路ではヨルリン・ウリ党の金洪信候補が現役議員の朴振議員を制し、東大門乙のヨルリン・ウリ党の許仁会候補がハンナラ党の洪準杓議員に勝つものとみられ、仁川市南東（インチョンシ・ナムドン）甲のヨルリン・ウリ党の李ガンイル候補が…」

２４３ある選挙区で１９６人の候補が誤差範囲を超えて２位を引き離したとも報じた。しかし、鍾路・東大門乙、仁川市・南東乙など６選挙区では報道とは正反対の開票結果が出た。

ＫＢＳが誤差範囲内にある接戦選挙区と伝えた４７選挙区のうち１３選挙区で１位と２位が逆転していた。

このような誤差が積み重なり、ウリ党の予想議席は大きくずれる結果を生んだ。ＫＢＳは１５７〜１８２議席を、ＭＢＣは１５５〜１７７議席を、ＳＢＳは１７２議席の獲得を予想した。しかし「圧倒的な勝利」という予想とは違い、ウリ党は辛うじて過半数を超えた１５２議席を得るのに止まった。

●今すぐの改善は期待薄

総選挙の世論調査結果が世論を正確に反映できない理由は、何よりも大統領選挙とは異なり、地域別の要因が強く働くからという分析がある。調査対象が地方区別に５００人程度に過ぎなく、誤差範囲が広いのも限界として指摘されている。

コリアリサーチセンター（ＫＲＣ）の金ジョンヘ取締役は、「総選挙の選挙戦情勢は１週間以内で地域別に変わり得る。事前の世論調査は投票結果をずばり当てなければならないという前提自体に無理がある」と話した。

１９９６年から許容された出口調査も、構造的に不正確な予測をはらんでいる。最も大きな理由は、投票を終えた有権者から「本当の声」を引き出すこと自体容易でないからだ。

高齢者は投票率が高いが、出口調査の調査員が「誰に票を入れたか」という質問に答えない割合が相対的に高かった。また野党候補支持者は、回答を避ける現象もみられる。

このような雰囲気は、高齢者の野党支持が絡む選挙戦で、正確な把握を難しくする結果を生んだ。１９９６年の「自民連の風」が読めなかったほか、２０００年には野党ハンナラ党の善戦を過小評価した。

まだ公開されたことはないが、出口調査の要請を受けた有権者のうち、何％が答えたかを表す回答率が低い場合、やはり調査結果と実際の投票結果との間でズレが生じる要因となる。

聖公会大学のチェ・ヨンムク教授（新聞放送学）は、「世論調査では、調査員の熟練度、有権者が自身の政治傾向を憚りなく表現できる環境など、正確な出口調査に必要な構造的要因が今すぐ実現するとは思えない」と話した。