従来の歴史教科書の理念的偏向性を正すために執筆された「教科書 韓国近現代史」が出版された。ニューライト知識人の会である「教科書フォーラム」が、約3年間の準備期間を経て完成した教科書だ。教科書が出るやいなや、学界では熱い論争が繰り広げられている。同一の事件や人物をめぐり、民族主義的な見方で記述された教科書とは明らかに異なる解釈をしているためだ。
同教科書は、韓国が19世紀末の亡国の「恨」から立ち上がり、今日世界第12位圏の経済大国に発展した過程に焦点を当てている。過去、いかなる教科書も試みたことのない近代化の観点から、歴史を一から書き直したのだ。このため、否定的に記述されてきた金玉均(キム・オクキュン)、朴泳孝(パク・ヨンヒョ)などの開化派が先駆的な人物として評価された。光復(クァンボク=日本の植民地支配からの解放)直後、自由民主主義体制を選択した先人たちの慧眼が高く評価され、李承晩(イ・スンマン)、朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領といった近代化を率いた指導者も再評価された。
従来の教科書が、「大韓民国は生まれるべきではなかった国」と主張し、分断、独裁、不正腐敗といった「恥ずべき歴史」を浮き彫りにしてきた反面、同教科書は、世界史でも類を見ない短期間での民主化と産業化の奇跡を成し遂げた大韓民国の「誇らしい歴史」を同時に見るべきだと強調している。同教科書が持つ意味はここにある。成長過程にある世代が、近・現代史をバランス感覚を持って眺められるように、新しい見方を提供しているのだ。
いつの頃からか、韓国の子どもたちは、歴史の授業で祖国に対する自負心を抱くどころか、まず「私たちは罪深い国に生まれた」という罪の意識を内面化させてきた。1948年の大韓民国の建国が分断をもたらしたという従来の教科書の記述は、北朝鮮が1945年9月にスターリンの指示に従って、先に独自政権を樹立したため、事実ではない。にもかかわらず、このような偏向的な歴史認識が刷り込まれてきた。いっぽう北朝鮮に対しては、中立的或いは友好的に見るように導かれてきた。それゆえ「反韓国—親北朝鮮教科書」という指摘がなされているほどである。
教科書フォーラム側は、新たに作った代案教科書が、教室で補助教材として使用されることを期待している。いかなる形であれ、従来の教科書に蔓延していた反外勢主義と感傷的民族主義からの脱皮が急がれる。2010年、教育科学部の主導で新しい歴史教科書が作られる予定であり、代案教科書の内容が新しい教科書にもバランスよく反映されなければならない。
本年、わが国は建国60周年を迎える。従来の教科書による左寄りの教育が続くことは、血と汗で国を救い築き上げてきた先人たちを辱めることだ。育ちゆく世代が、大韓民国を「紆余曲折と試練を乗り越えて成功した国」と認識するよう、既成世代が力を合わせることが必要だ。






