統合民主党の孫鶴圭(ソン・ハッキュ)共同代表が20日、海洋水産部(海洋部)存続の主張を取り下げたことで、1ヵ月以上国民を心配させた新政府の組職再編案の交渉が終了した。新政府の正常なスタートが多少停滞するものの、深刻な国政空白は憂慮しなくてもよさそうだ。しかし、国家運営の基本枠組みの政府組職が、国利民福や国家競争力とかけ離れた政略的な交渉によって決まったという点で、憲政史に悪い先例をひとつ加えた格好になった。
統廃合の対象だった統一部と女性家族部(女性部)が存続することで、新政府の組職は13部から15部に増えることになった。政府の大きさも大きさだが、大統領職引継ぎ委が当初、政府組職再編案の発表の際に明らかにした趣旨に反し、「ぼろぼろ」になったという考えはぬぐえない。
統一部を見てもそうだ。当初、引継ぎ委は、「北朝鮮の情報収集および分析などを国家情報院に一元化し、南北経済協力を経済部処で担当すれば、統一部に残る職員は27人にしかならないだろう」と述べていた。ならば27人のために、統一部という別途の看板を掛けなければならないのか。
女性部も、「女性政策が家庭、性犯罪被害者の保護、男女不平等解消の次元を越えるには、政策手段を増やす必要があるため、保健福祉部と統合するのが效率的だ」と主張していた。このため、女性部の存続は、このような趣旨に真っ向から反することになる。
民主党は、「女性部は、男女平等という金大中(キム・デジュン)政府の価値を志向するために存続しなければならない」と説明した。誰を意識して交渉したのか見当がつく。4月の総選挙でハンナラ党が勝てば政府組職をさらに減らし、民主党が勝利すれば増やしてもいいという案を出し、国民の審判を再び受けることを求めたい。
李明博(イ・ミョンバク)大統領当選者も、ここでとどまってはならない。「小さくて効率的な政府」の構築に向けて、手網をゆるめてはならない。再編案を見ると、まだ準備が不十分という感じを受ける。特任長官にしても1名置くことになっているが、引継ぎ委は「(大統領が)任命することもあり、しないこともある」と述べ、あやふやだ。知識経済部、教育科学技術部も、「化学的結合」ができるのか疑問だ。李当選者とハンナラ党も、「ぼろぼろ再編」の責任から自由ではない。






