「私たちがイスラムについて知ろうとしなければ、金鮮一(キム・ソンイル)氏事件のようなことが再び起きても、結果は同じだろう」。04年6月、イラクで金鮮一氏拉致殺害事件が起きた時、イスラム専門家の李熙秀(イ・ヒス)漢陽(ハンヤン)大学教授が放った「予言」だ。不幸にも、彼の言葉は3年後の今年の夏、アフガニスタン拉致事件によって的中した。韓国政府は、タリバンに無知な状態で対応にてまどり、2人の犠牲者を出した。
◆韓国は、米国、欧州を除く他国について、よくわかっていない。先進国が以前から「地域研究(Area Studies)」を通じて多くの国に関する知識と情報を蓄積してたのとは対照的だ。李教授は、韓国は、今からでも地域研究を活性化し、地域専門家を養成すべきことを主張する。もし、アフガン拉致事件のようなことが起これば、構築された資料と専門的人材によって、もっと機敏に対処できるということだ。
◆韓国で地域研究が脆弱なのは、人文科学が不振なためだ。人文科学は、しばしば文学、歴史、哲学を意味する「文史哲」と要約されるが、少し関心を広げれば、まさに地域研究である。世界各国の多様な言語と歴史、生活様式を探求することが、地域研究であり人文科学である。このように人文科学は、実用性を持つ学問である。にもかかわらず、国内の人文科学者たちは、カプセル化された自分だけの「殻」に閉じこもって生きてきた。「人文学の危機」は、人文科学者たちが自らの役割を果たせないために招いたもので、正しくは「人文科学者の危機」と呼ぶべきだという指摘もある。
◆米国の貧民活動家アール・ショーリス氏は97年、ニューヨークのスラム街で麻薬中毒者、ホームレスなど、人生を投げてしまった31人を集め、著名な人文科学者たちを招いて、1週間に4時間、人文学を教えた。「1キレのパン」の代わりに「人生の価値」を提供したのだ。17人の修了生のうち、後日、2人は医者になり、1人は看護士になった。大学院進学者もいる。きびしい世界であればあるほど、人文科学の人間重視哲学はきわだってくる。今日から1週間、第2回人文週間だ。全国8都市で74のイベントが行われる。人文学の重要性を大衆に伝えるいい機会だ。まずは人文科学者たちから、奮い立たなければならない。
洪賛植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com






