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[社説]文化芸術委、左派のパーティー

Posted September. 10, 2007 07:48,   

韓国文化芸術委員会(文化芸術委)の2期目の委員長に任命された金正憲(キム・ジョンホン、公州大学美術教育科教授)氏は、第1回光州ビエンナーレの特別賞を受賞したことがあり、2年前から文化芸術委の委員としても活動している。同氏のキャリアや活動からみて、文化芸術委の委員長となるに特別な欠格事由があるわけではない。しかし、同氏が第1世代の民衆美術画家で、韓国民族芸術人総連合(民芸総)の理事や全国民族美術連合(民美協)の共同議長を歴任した代表的な左派芸術家だということから、政府の芸術支援が左派に偏るのではないかという懸念が持ち上がっている。

文化芸術委は、国民の税金で文化芸術活動を支援する政府機構だ。当然、純粋派と現実参加派の2つの山脈はもとより、さまざまな傘下団体や活動をすべて抱擁しなければならない。文化芸術委の組合からも、「(金委員長は)一方に偏りがちだ」という評価が出ており、相対的に「もう一方」が差別を受け、疎外されるのではないかと懸念するのは当然のことだ。特定イデオロギーに根を下ろした文化芸術活動を代表する人が委員長となることで、支援金が一方にのみ偏ることになれば、文化芸術の歪曲現象を招きかねない。

ただでさえ、文化芸術界では、現政府で発足した文化芸術委が、支援金(1100億ウォン)の相当額を民芸総側に提供しているという不満の声が大きい。従来の文芸振興院を廃止し、民間主導の文化芸術委を作って、官からの芸術支援業務を独立させることを建前に掲げたが、左派志向の芸術活動に支援金が集中し、文芸振興院時代のほうがむしろましだという評価すらある。

文化芸術まで政治に汚染されるなら、不幸なことだ。この政権になって、歴史や文化をはじめ、私たちの精神世界に影響を及ぼす各機関が著しくバランスを崩し、左派に占拠されがちな状態だ。このような現象が長く続けば、韓国社会が追い求める価値やイデオロギーは変質し、文化の多様性は損なわれかねない。

イデオロギーを離れて、今回の人事は恥ずべきことだという見解もある。金氏は7月、文化芸術委の1期委員であり、委員会の異常運営の当事者だったので、組合側から退陣を求められたうえ、金炳翼(キム・ビョンイク)委員長の途中辞任に直接・間接的にかかわっている。1期委員長を辞めさせた1期委員が、2期目の委員長の座についたのでは、文化芸術界の「政治」を目にするようで後味が悪い。