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[社説]憲法は守らなければならない

Posted July. 17, 2007 03:16,   

1948年の建国直前に憲法が制定されて以来、59回目を迎える憲法記念日であり、6月の民主化闘争を経て、民主的な憲政の秩序を盛り込んだ今の憲法へと改正されて20年になる。韓国の憲法は大韓民国という共同体を存続させ、構成員たちの生活秩序を規定する根本法だ。憲法は法治主義の頂点に立つ最上位法だ。憲法が揺らぐと、ただちに法治が危うくなる。

いわゆる民主化勢力が中心をなしたという現政府に入って、大統領が憲法をおとしめ、ひいては違反する事例が相次いでいるのは、まことに皮肉なことだ。憲法の主人は国民だ。選ばれた権力でも憲法の上には君臨できない。選ばれた権力の乱用をけん制するために憲法は存在する。

今日、われわれが直面している憲法の危機は、世間の正義をまるで独占したかのように、独善に陥って、従来の秩序を否定する現政権の核心勢力によって引き起こされたものだ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は就任の際、「憲法を遵守する」と、国民の前で厳粛に宣誓したにもかかわらず、「憲法め」とさげすむ一方、独断的な見解を掲げて、憲法裁判所(憲裁)の憲法解釈まで認めないそぶりを繰り返し見せている。

憲法や法律を無視して憲法機関をあざ笑った大統領の行動は、「法治主義の毀損(きそん)」という重大な過ちとして歴史に残るだろう。

盧大統領と現政権の核心勢力は、国民によって選ばれた国会が制定した法律を、任命職の憲法裁判官たちが、反故にできるわけがないと反駁している。このような議論は、米国で連邦裁判所の違憲の判例が認められる過程ですでに、ふるいにかけられたことだ。憲裁は、違憲の決定で国会の立法権乱用をけん制できる権限を、憲法を通じて与えられている。憲法が損なわれれば、下位の法秩序も同時に揺らぐ。

憲法が国民の生活規範として生きた法となるためには憲裁の役割が重要だ。憲裁は、国家権力が憲法に反しないように、社会的な議論が増幅されている事案については、迅速、かつ明確な見解を示す必要がある。私立学校法や総合不動産税の税制、盧大統領が提起した憲法訴願などの決定(判決)を長引かせてはならない。

大韓民国という共同体の中で暮らしているわれわれが皆、憲法を尊重し、憲法の価値を生活化してこそ、法律と秩序がわが社会に根を下ろすことができる。とりわけ、大統領はその守護神となるべきだ。