東亜(トンア)日報が03年1月〜07年6月20日、ソウル行政裁判所を含めた全国の1審の裁判所が判決した221件の情報公開拒否処分取り消し請求訴訟の結果を分析した結果、03年は43.75%だった政府や公共機関の敗訴率が、04年は50%、05年は59.6%、06年は66.7%。07年は61.8%(6月20日まで)と、毎年、増加傾向を見せていることがわかった。
不当な公開拒否で政府や公共機関が訴訟で負けた事例は03年は14件、04年=21件、05年=28件、06年=44件など、毎年増えつつあるが、政府や公共機関が訴訟で勝ったのは毎年14〜18件と、ほぼ同様だ。
▲政府、「非公開情報」の恣意的な解釈〓情報公開請求訴訟で、政府や公共機関が敗訴することが増えているのは、情報公開法に定められた「非公開対象の情報」を政府や公共機関側が恣意的に幅広く解釈しているためだ。
政府や各公共機関では、主に該当情報を公開すれば業務に支障をきたすうえ、プライバシーを侵害する恐れがあり、営業上の秘密であるとか保管していない資料だということで、情報公開を拒んでいる。
韓国産業人材公団は、公認仲介士の資格試験の脱落者たちが、「受験者たちの平均点数などを公開してほしい」と要求するや「保管していない資料だ」と公開を拒んだが、訴訟で敗訴した。
公団側では受験者たちの平均点数を保管していないと主張しているが、裁判所では「いくつかの条件を設定してコンピュータで検索や編集をすれば、簡単に作れるものなので、事実上、公団が保有している資料だ」と、公団側とは異なる解釈を下した。
一般人が要求する形の資料ではなくても、データを加工すれば容易に作れる資料まで「保管していない」ことを理由に公開を拒否すれば、国民の知る権利と情報公開法の立法の趣旨まで謦咳化されるというのが裁判所の判断だった。
ソウル行政裁判所の金容贊(キム・ヨンチャン)部長判事は、「情報公開訴訟に対する裁判所の判決は、政府や公共機関が公開、または非公開対象の如何を判断させる一種のガイドラインだ」として、「判例が地道に出ているのに公共機関の敗訴の事例が減らないのは、裁判所のガイドラインに従わず、依然として恣意的に解釈しているためだ」と語った。
このような恣意的な解釈のため、公共機関が「非公開」対象の情報を幅広く適用するため、情報公開拒否処分に不服な訴訟も毎年、増えている。
最高裁によれば、02年には36件だった情報公開拒否処分取り消し訴訟が、03年は43件、04年は57件、05年は79件、06年は99件、07年は73件(5月22日現在)と、毎年増えている。情報公開を拒まれたときに起こせる異議の申し立てが、まともに受けいられないことも訴訟増加の一因となっている。
行政自治部が発行した「05年度の情報公開年次報告書」によれば、非公開または部分公開された情報にたいして1315件の異議の申し立てがあったが、このうち、受け入れられたのはわずか383件(29%)のみだった。
▲裁判所、「機関の利益よりは国民の知る権利がより重要」〓情報公開訴訟で、裁判所が政府や公共機関よりは一般国民の肩を持つことが多くなっているのは、情報非公開を通じて得る機関の利益よりは、国民の知る権利にさらに重点をおいているためだ。
政府や公共機関は、さまざまな理由を挙げて情報公開を拒んでいるが、裁判所では国民の知る権利と情報公開法の立法目的に基づいて、国民の情報公開請求権を幅広く認められている。
大韓住宅公社が、営業上の秘密という理由で公開を拒否したマンションの分譲原価と、公開される場合、今後の大学入試政策に深刻な影響を及ぼしかねないという理由で、教育人的資源部が公開を拒否した大学修学能力試験(日本のセンター試験に該当)の成績の点数を、裁判所が最近、公開するように判決したのが代表的な事例だ。
ソウル行政裁判所の金鼎郁(キム・ジョンウク)判事は、「裁判所がかつてよりは情報公開について、国民の知る権利の次元で近づく事例が多くなったようだ」とし、「全般的な社会の雰囲気も国民が知るべき情報の範囲を広めていくべきだという方向に傾いており、このような雰囲気も影響を及ぼしているようだ」と説明した。
裁判所内では、政府や各公共機関が公開対象の情報に関して恣意的な解釈ができるような余地を与えている、あいまいで漠然として条項を見直すべきだという指摘も出ている。
情報公開法の第9条では、非公開対象情報を、△業務の公正な遂行や研究開発に著しい支障をきたしたと認められる理由がある情報、△国の重大な利益を著しく害する恐れがあると認められる情報、△法人などの正当な利益を著しく害する恐れがあると認められる情報などと規定しているが、その範囲が抽象的であいまいだということだ。
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