最近、児童誘拐、車の盗難などを防止する用途で人気を呼んでいる位置追跡機が、他人の移動経路を調べ、監視してプレッシャーをかける目的で濫用される事例も増えている。
▲浮気監視から債務者への威嚇まで〓私立探偵業者である「ディテクティブ」によれば、配偶者、債務者、会社の機密を担当する職員など多様な人を監視するための目的で位置追跡機が利用されているという。
同業者には昨年下半期から、毎月平均20〜30件以上の位置追跡機探知依頼が入っている。確認してみると、このうち40%ほどが実際に位置追跡機が取付けられている車だ。
最も多い類型は、配偶者の浮気を監視したり疑っていたりするケース。
ディテクティブのソ・ジンホ代表は、「位置追跡機探知依頼者の3分の2くらいが、『配偶者が私の浮気を監視するため位置追跡機を取付けたらしい』と言って、探知を依頼する」と話す。
債務者監視など他人の車に位置追跡機を取付ける時は、主に便利屋を動員し、車の下の部分にこっそり取付ける場合が多い。しかし、自分の車に配偶者を監視するため取り付ける時は、主に助手席の方のスピーカーの内部に取付け、配線も車のバッテリーから供給されるようにする。ソ代表は、「車外部の位置追跡機は他人、内部の位置追跡機は家族によって取付けられた場合が大半」と話す。
▲関連規定なく、処罰も難しい〓多様な目的で位置追跡機が濫用されているが、現在、これを管理できる具体的な規定はない。
特に、位置追跡機の購入者を正確に把握できる一連番号などがなく、誰がどんな目的で車に位置追跡機を取付けたのか調べるのはたいへんだ。
単純に誰かが車に位置追跡機を取付けたという疑惑だけでは、警察に捜査を依頼することもできない。また、誰かが車に位置追跡機を取付けたのを見つけて警察に申告しても、解決は難しい。
警察関係者は、「誰が取付けたのか調べるのは難しく、位置追跡をして暴行や脅迫をしたことを立証してから処罰が可能」と話す。
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