きれいに建設された道路や高層ビル、都心のマンション団地、地下鉄の駅構内、さっぱりした身なりの家族連れの外出、動物園やスケート場、毛皮コートを羽織った女性たちやファッションショー…。誰がここを貧しくて飢餓にあえいでいる「凍土の王国」の首都、平壤(ピョンヤン)だと思うだろう。果たしてここが、我々から米や肥料や医薬品をたびたび受け取らないと延命できない朝鮮民主主義人民共和国なのか。我々が以前から知っている北朝鮮の真の姿とははなはだかけ離れている。統一部の統一教育院が作った写真集「写真で見た北朝鮮の住民たちの生活様子」に目を通した感想だ。
◆この写真集は電子ブックとして作られ、統一部「サイバー統一教育センター」ホームページ(www.uniedu.go.kr)に掲載されている。都市と農村経済、学校生活、祭日、日常生活の4つの部分に分かれて、簡単な説明までつけられている。「このような豊かな北朝鮮を我々が援助しなければならないだろうか」という疑問さえ浮かぶ。このような「平和な国」が、核兵器やミサイルを開発する国なのか。北朝鮮の宣伝資料をそのまま掲載した統一教育院の考えが理解できない。
◆各学校の高級施設や放課後の多様な芸能教育の様子。欧米人による外国語実習教育の場面、キリスト教やカトリック、仏教の宗教活動の紹介にいたると、認識の困難はピークに達する。北朝鮮が「主体(チュチェ)思想」という宗教ばかりを一方的に押し付けるところではなく、創意力や多様性を尊重し、宗教の自由まで保障する民主社会だと勘違いするほどだ。
◆統一教育院の関係者は、「公信力のある写真」のみ掲載しようとしたためこのようになったと言い訳するが、国際人権団体の「フリーダム・ハウス」が指定した「最悪の人権弾圧国」の実情から目をそらした理由としては納得できない。北朝鮮が見せたいところばかりを選んだといったほうが正直だろう。全羅北道任実(チョルラブクド・イムシル)の館村(クァンチョン)中学校の生徒たちが、やせおとろえた北朝鮮の子供たちや国境地帯をさまよう「物乞い」少年の映像をみて仰天したという。全国教職員労働組合がパルチザン行事への参加教育をした、ほかならぬその学校だ。民族愛もいいが、現実をありのままに見せる統一教育が何より重要だ。
陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員sooya@donga.com






