モナコで開かれている国際水路機構(IHO)総会で東海(トンへ、日本名=日本海)の表記問題の決着がつかないもようだ。これを受けて、この問題は09年開かれる次回総会まで議論を見合わせることになると見られる。
IHOでは9日に再開された総会で、世界の海の名称の基準として使われている海図集「海洋と海の境界」(S23)の第4回改訂版の出版問題を議論した。東海の表記問題もここで議論される予定だったが、韓国と日本が共にこの問題の採決を要求する提案書を提出しなかった。
韓国代表団の関係者は、「日本海の単独表記のような重要な決定のためには、総会の開幕前に採決を要求する提案書を提出するのが通常的な手続きだが、日本がこれを提出しなかった」と明らかにした。韓国も東海の単独表記、または併記を要求する提案書を提出しなかった。
IHO総会は政治的な利害関係がからんだ事案を決定するのに慎重な姿勢を保ってきたうえ、提案書の提出もなかったため、今回の事案は再び結論が見送られるだろうと代表団では予想した。
IHOは1929年に東海を日本海と初めて公式表記し、1953年に出版されたS23の3版で同表記を維持した。02年の総会では東海問題に対する決定が見合わされ、東海の部分を空白として残したままS23の暫定版を出したことがある。
代表団の関係者は、「日本の影響力が余りにも大きく、東海の単独表記や東海の併記を採決にかけづらい状況だ」としながら、「(韓国の影響力を育てる)時間稼ぎという側面で、今回の決定の見合わせは肯定的な結果だ」と語った。
いっぽう、日本の提案書の提出を予想した外交通商部と東海研究会を軸とする政府民間合同代表団は、先週末、モナコに到着して78会員国の代表団を相手に激しい説得作戦を繰り広げた。
代表団のある関係者は、「78の会員国のほぼ全ての代表団に冊子を配布し、東海の名称の正当性を力説した」と語った。1987年、IHOに加盟して、今回の総会に海軍将軍を団長とする3人の代表団を派遣した北朝鮮も韓国を応援した。北朝鮮の代表団は、「何度も挑戦すればできないことはない」と韓国の代表団を励まし、「東海の表記が我々の過去の地図より外国地図に表記された事例を積極的にPRするほうが説得に有利に働く」と戦略的な側面での助言も惜しまなかったと関係者たちは伝えた。
いっぽう、各国の代表団には韓国から「東海」の名称の合理性を力説するEメールが平均200通以上殺到して、外国代表たちが韓国代表団に文句をいったという。
各国の代表たちは、「この問題に対する韓国の高い関心や積極的な行動に驚いた」としながら、一部では、「迷惑メールのレベルだと思われて、むしろ逆効果が出る恐れもある」との反応を見せた。
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