姜在渉(カン・ジェソプ)ハンナラ党代表は昨日、李明博(イ・ミョンバク)前ソウル市長と朴槿恵(パク・クンヘ)前代表側に同党の大統領選挙候補を決める予備選挙のルールの仲裁案を提示して、「両キャンプが愛国心を持って判断し、受け入れてほしい」と訴えた。「ゲームのルール」で些細な利益を獲得するより大きい政治をするという姿勢で民心を取り付けることのほうが重要だ」という話だった。
今回の仲裁案の核心は、全体選挙人団の20%を占める世論調査を反映する際、国民代議員団の投票率にのみ下限線を設けたことだ。党員—代議員—国民代議員団の投票率の平均値を適用するが、国民代議員団の参加率が30%台に止まる点を勘案して、投票率が67%(3分の2)に及ばなくても、67%を基準に計算するようにしたことだ。民心をさらに反映するための苦心の産物だ。これに対して、李前市長は受け入れの考えを示したが、朴前代表側は、「自分が確実に勝つルールを作るまで、直し続けたらきりがない」として、事実上、拒否の立場を表明した。
朴前代表側が仲裁案の最後まで拒否すれば、ボールは21日、全国委員会の票決に渡される。しかし、党内では早くから指導部の総辞退や朴前代表の予備選挙不参の可能性など、数々の危機シナリオが取りざたされている。特に、党権を狙って指導部に揺さぶりをかけるため、仲裁案を批判する重鎭もいる。これは「火事の出た家で金になるものを拾う」ようなあつかましい行動だ。
状況がここまで行ったのは、李—朴の双方が「大勢論」に酔いしれ、予備選挙で勝ちさえすれば終わりだという思い込みにとらわれているからだ。両陣営では「4者必勝論」まで出ている。李—朴が分かれるとしても汎与党圏が「統合新党候補」対「親盧候補」に分かれれば4者構図になって、独自出馬しても勝ち目があるということだ。行きすぎた楽観だ。汎与党圏が候補一本化に成功すればどうするつもりなのか。
どのゲームのルールも皆を満足させる「神の答え」になりえない。8月の予備選挙までは100日あまり、大統領選挙までは約7ヵ月が残っている。風向きはいつでも変わりうる。国民の関心は誰が国をきちんとまとめる能力とビジョンを持っているかだ。李—朴の2人は予備選挙のルールをめぐる争いを終えて、国民のこのような要求に応える姿を見せるべきだ。






