釜山(プサン)地域の大学の40代中盤の教授A氏。
彼は最近、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会議事堂付近によく現われる。A教授は、政界やマスコミ関係者に会って、「李明博(イ・ミョンバク)前ソウル市長と朴槿恵(パク・グンヘ)前ハンナラ党代表のどちらに賭ければいいか」と聞いた。同氏は、「すでに両陣営にオファーしている。教授1人と一般人1人は違う。私には動員できる教授が多い」と自慢していた。
先月、李前市長の陣営である安国(アングク)フォーラムの事務所に、首都圏のある大学教授B氏が自ら作成したという「韓半島大運河プロジェクト」を持参した。資料は、マイクロソフト(MS)パワーポイントを使って見た目はうまくできていたが、内容は新聞記事や陣営が提供した報道資料のレベルにも及ばないというのが、安国フォーラム関係者の話だ。
朴前代表の陣営は、約1ヵ月前に諮問教授団に参加したソウルのある大学のC教授のために頭を抱えている。元長官に頼んで諮問教授団に名を連ねた同教授は、最近、他の教授の1次報告書に手を加えて自分が作成したかのように最終報告書を作り、陣営側に渡したという。
大統領選挙を控え、各候補の陣営に公式・非公式に近づいてくる「ポリフェッサー(poli-fessor=政治教授)」が列をなしている。李前市長サイドは、「1日に1人か2人の教授が陣営を訪ねてくる」と話した。朴前代表サイドは、「今年に入って、候補に会わせてほしいと訪ねてくる教授が50〜60人になる」と述べた。
組織的に同僚教授を糾合して、特定候補を支持する「フォーラム」を結成する例も多い。ソウルのある教授は昨年10月、学期中にもかかわらず李前市長の欧州歴訪に同行した。
野党ハンナラ党より数は少ないが、与党の大統領候補にコネをつくる教授もいる。
与党ヨルリン・ウリ党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)前議長には、「南北軍人サッカー大会の開催を推進しよう」「慶尚道(キョンサンド)集票戦略の一つとして、大邱(テグ)空港の名称を『朴正熙(パク・チョンヒ)空港』に変更することを公約にしよう」などのアイデアを持って訪れる地方の大学教授がいたという。
大統領選挙の度に「職業的に」大統領候補陣営に近づくポリフェッサーたちもいる。
97年と02年の大統領選挙の時、ハンナラ党の李会昌(イ・フェチャン)候補陣営の核心として活動したソウルのある大学教授は、今年は朴前代表の陣営に加わった。02年の大統領選挙の時、李候補の光州(クァンジュ)・全羅南道(チョンラナムド)地域の諮問教授団として活動したある地方大学の教授は、昨年末まで高建(コ・ゴン)元首相の諮問教授を務めた。一時、高元首相に定期的に韓半島周辺情勢のレポートを提供したソウルのある大学教授は、現在、李前市長陣営の諮問教授団に名を連ねている。
99年に官界を去って教授になったある人物は、教授職を維持したまま、02年の地方選挙と04年の総選挙に相次いで出馬し、4月25日実施の再選挙・補欠選挙の出馬も考慮している。性格は異なるが、中央大学教授だった民主党の金孝錫(キム・ヒョソク)議員は、8年間休職中だ。
西江(ソガン)大学のある教授は、「今回の大統領選挙では、教授たちの政治化が目立つ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府が発足した後、教授社会の中心にいたことのない『外郭教授』たちが政権の中心に立ったことによる反作用が大きいようだ」と話した。






