李承鎏(イ・スンヨプ、読売)選手と李炳圭(イ・ビョンギュ、中日)選手に去られた韓国プロ野球には、二人とはまた別の「李承鎏と李ビョンギュ」がいた。
「お名前は何ですか」「李承鎏です」「野球選手の李承鎏ですか」「はい、そうです」「あなたが李承鎏なら、私は金ヒソン(女優)ですわ」
日本プロ野球読売でプレーしている李承鎏(31)は、子どもまでが知っているスーパースターだ。しかし、李承鎏の陰に隠されたもう一人の李承鎏選手がいる。
斗山(トゥサン)のプロ2年目の外野手、李承鎏(25)。彼は大学時代、合コンに出れば、スター李承鎏のため煩わしい思いをする時が多かった。結局は、IDカードまで見せなければ状況がなかなか終わらなかったほどだ。二人の李承鎏は、漢字までまったく同じだ。
昨年、彼が斗山に入団した時、仲間たちは彼を「ブランド品」と呼んだ。スターの名前と同じであるうえ打撃の才能まであって、大いに期待された。左利き打者というのも同じだった。
しかし、しばらく上って来た1軍の舞台で彼が記録した成績は11打数無安打だった。仲間たちはその時から彼を「偽物」と呼び始めた。甚だしくは、「名前を除いては、似ているところが一つもない」とまでからかわれた。
気弱な選手だったら傷つくに決まっていた。しかし、彼は相変らず元気だ。「最初に聞いた時はちょっとむかつきましたが、あまりにも多く聞いたせいかもう大丈夫です」と答えた。
昨年末、2軍の試合で左肩の靭帯を破損した李承鎏はこの頃、リハビリに頑張っている。そのため転地トレーニングにも一緒に行けず、国内に残って猛烈にトレーニング中だ。彼は、「昨年は運動を怠っていたのは事実だ。しかし、今年は名前が恥ずかしくないよう、本当に優秀な野球選手になりたい」と話した。
一方、LGの看板だった李炳圭(33)も今年、日本のプロ野球・中日に進出したが、同じチームに、もう一人の李ビョンギュ(24)選手がいる。あいにくにも、二人とも左利き打者だ。昨年一緒に1軍にいた時は、「李炳圭」と「リトル李ビョンギュ」と呼ばれた。リトル李ビョンギュの1軍での成績は8打数1安打。
シーズン終盤、やはり右膝の十字靭帯を破損した李ビョンギュも同じく韓国に残り、リハビリ中だ。彼は、「グランドでプレーしたくてしょうがない。頑張らなければならないという気持ちしかない」と覚悟を述べた。
李承鎏と李炳圭が去った韓国プロ野球界の空白を、同名異人の「偽物」李承鎏と「リトル」李ビョンギュが埋めてくれるのだろうか。
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