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[社説]公取委は誰のために存在するのか

Posted December. 21, 2006 06:54,   

「企業は生き残るために、不要な組織を切り落とす構造調整に踏み切っているのに、公正取引委員会(公取委)は生き残るため、企業の首を縛り付ける規制を強化する」。公取委の監視に疲れた実業家が「経済の検察」と呼ばれる公取委を批判した言葉だ。実業家らは、「姜哲圭(カン・チョルギュ)、権五乗(クォン・オスン)氏ら、教授出身の委員長が組織を掌握できなくて、肥大な機関と人員をリストラできなかった」と指摘する。結局、公取委の職員は野放図な組織を維持する名分を作るため、新しい規制を作るということだ。

権委員長は、出資総額制限制度と関連して、「三星(サムスン)、現代(ヒョンデ)車などの所有権は個人にあるが、国民的企業」という危険な発言までして、企業投資に冷水を浴びせ続ける。公取委はグローバルな市場状況を知っているのかどうか、生き残るための企業の合併買収(M&A)に対し独占・寡占との判定を下して、当該企業から行政訴訟までされた。最近になってからは、令状のない口座追跡権を無期限に延長すると発表するなど、企業に対する足かせをさらに強める動きだ。競争国は市場と投資に活力を吹き込むため、「小さくて効率的な政府」を追及し、先を争って規制を緩和しているが、韓国の公取委は逆走行が体質化した。

だからと言って、規制を握り締めている公取委の職員たちが公正で清廉であるのか。ソウルYMCAは公取委が多段階販売業者と癒着して、訪問販売に対する法律を彼らに有利になるよう改正したとして、公取委を検察に告発した。多段階販売業者のJUの被害者らは、「公取委が管理監督の責任を疎かにして、被害が拡大した」として、国を相手取って損害賠償請求訴訟を起こした。検察は公取委のJU癒着疑惑に対して捜査に着手した。法律改正の過程で公取委の幹部(3級)が多段階業者から5000万ウォンを受け取った疑いで、すでに身柄を拘束された。

公取委の脱線は一々列挙するの難しいほどだ。現代車グループ本社で系列会社の不当なインサイダー取引調査をしている途中、商品券を提供され、「もらうかもらわないか」の議論を経てもらうことにした。他の省庁の公務員がこのような公取委を見て、恥を感じると言っているほどだ。

公取委の職員が退職後、巨額の年俸をもらって民間企業、ローファームなどに転出するのも、公取委の規制強化と無関ではない。公取委の機嫌を覗わざるを得ないか、公取委に対するロビーが必要なため、公取委の前職員を優遇採用しているのだ。最近では、課徴金の賦課と関連して、公取委と訴訟中の業体の訴訟代理を務める法律事務所に公取委の幹部が続々と迎え入れられた。現職と前職の粘りっこい共生だ。証拠のない「大まかな議決」と専門性不足は公取委の痼疾病だ。

公取委の逸脱は、権力への忠誠と背中合わせの関係を成しているという一部の意見も説得力がある。中小企業級の新聞を制裁するのに行政力を過剰行使するなど、政治権力の忠実な下部組織に転落し、その見返りとして力が強くなり、企業と市場、均衡と常識を敵視する怪物になったのではないか。これを公取委自らが省みる、公僕としての姿勢や良心があるのか疑問だ。このような組織をそのまま放っておいて、既に体力が底を見せている韓国経済を生き返らせるというのは余りにも厳しそうだ。

企業が数年間、資金を持ちながらも投資できない現実は、結局、自営業者をはじめ個人破産が年間10万件を上回る状況と直結する。企業投資が低迷しているから、安定した企業型働き口が足りず、そのため、自営業者が増えるばかりだが、国民の購買力が低下しているため、民生苦の悪循環がもたらされるのだ。その深刻性が日増しに深まっているのに、税金で揺るぎない職場を維持している公取委の人々は、政策権力の甘さをさらに楽しめるかもしれないが、経済と民生は委縮するばかりだ。

政界がそのような反民公取委を庇護し続けるならば、公取委を告発したJUの被害者やソウルYMCAのように国民が共に乗り出して公取委にメスを入れなければならない。