「世界の工場」中国には世界的機械会社であるデンマークのダンフォスも入っている。中国の割安で豊かな労動力で作った安っぽい熱バルブは大部分が中国で売れる。しかし高度の技術と熟練された機能を必要とする「メルセデススタイル」のバルブはデンマークで作る。人力も中国工場(1700人)よりデンマーク工場(6200人)の方がもっと多い。高価格製品と中低価製品を別の場所で作るハイブリッド(hybrid・雑種)戦略だ。
◆中国、ベトナムなど人件費の安い国が世界の製造業をさらっていると言われるが、しかし世界一流のメーカーは「メードイン先進国」製品にもっと気を使うと言うのが英紙ファイナンシャルタイムズの報道だ。いくら本社の専門家が派遣されて監督するといっても、未熟な労動者が作る製品には限界がある。世界最大の鉄鋼メーカーであるミタルも腐食しない高付加価値製品は途上国で半分程度を作った後、先進国で移して完成する。基盤技術は後発国に渡さないで守りながら、製造原価は下げて利益の最大化を図る「ツートラック戦法」だ。
◆「製造業の時代は去り、サービス業時代が来た」と言う話は、だから当たっているけど間違いでもある。先進国ほどサービス業が占める国内総生産と労動人口の割合が高いが、製造業の生産性もやはり高い。米国の投資会社JPモーガンのデービッド・ハンスリ・グローバル経済協力取締り役は「製造業自らの『パイ』が増加する」と言った。テレビや冷蔵庫など、私たちの使う品物がますます多くなるのが証拠だ。中国の製造業生産が急増したとはいえ、ここ10年の間世界生産量の4%から9%に増えたに過ぎない。75%を作り出す米国と日本、西欧の先進国パワーは依然として健在だ。
◆わが国の製造会社3社のうち1社が赤字で、10社のうち4社は品物を売って利子もまかなえていないという韓国銀行の調査は、だからもっと憂鬱だ。「経済のエンジン」である製造業が後退しては、世界化の隊列で先を行くのは無理だ。高付加価値のテクノロジー商品にも「サービスプラスアルファ」を加えると生き残る。わが国が安い賃金で勝負する段階は過ぎた。それでも「輸出功臣」として奮闘する製造会社の経営者と勤労者たちに言ってあげたい。今年もお疲れさまでした。
金順徳(キム・スンドク)論説委員yuri@donga.com






