盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が昨日、国会で行った施政演説で「ビジョン2030」をまた持ち出した。その目標の一つである「革新的で活力ある経済」のためには、これから準備していかなければならない」とも話した。しかし、「ビジョン2030」のために、現政権がするべきことは何もなさそうだ。未来のための成長エンジンの管理、国民年金の改革など、基本的な役目さえまともに果たしていないためだ。任期の後半に入って、突然打ち出した「ビジョン2030」が、演説用、宣伝用としか映らないゆえんだ。
政府が小さな約束でも守り成果を見せていたなら、国民は大統領の同日の演説に拍手を送ったに違いない。しかし、現状はその反対だ。大統領が「不動産問題の解決、庶民経済の安定と経済活性化」をいくら約束してもそれを真に受ける者は誰一人いない。これまで報復の性格の強い「税金爆弾」を柱にした不動産対策、成長を罵倒し、庶民経済の萎縮をもたらしてきた経済運用に絶望しているためだ。
政府がいくら改革の実績を水増ししても、国民は道を行き交う自動車のナンバープレートを見るだけで、政府の能力が皆無であることをすぐさま察することができる。建設交通部は03年からナンバープレートの切り替え事業を開始したが、いまだに混乱が続いている。
ナンバープレートのデザインだけでも5回も変更され、現在運行している車に付けられているナンバープレートは6種類が混在している。同じ車種でも、いつ出庫されたかによって、ナンバープレートのデザインが違うわけだ。同事業を展開している建設交通部のこのような「チグハグ行政」が先進国の仲間入りを豪語する大統領の「大きな演説」をあざ笑っているのだ。
盧大統領は、庶民経済の低迷について「申し訳ない」と謝罪したが、謝罪しなければならないことはそれだけだろうか。政策失敗が明らかなのに、「市場の失敗を補うため」として、予算と行政力をつぎ込み、国民の利便性まで制限したにも関わらず、政策の効果より副作用が大きかったケースは枚挙にいとまがない。
最近、不動産価格が急騰している原因も、そのほとんどが政府にあるのに、今度は住宅金融の指導・監督を強化し、民間マンションの分譲価格を統制する案で解決する、としている。政策の失敗が政府統制の拡大を招く悪循環の典型だ。そうする間に、「革新と活力」は息絶えつつある。






