スウェーデンの総選挙で右派の野党連合が執権与党の左派連合を制して勝利した。有権者らは「代案のない福祉」を捨てて、「効率と穏健な改革」を選んだわけだ。ドイツで成長を重視する親企業路線のアンゲラ・メルケル内閣が昨年11月に発足して、経済に活力を吹き込んでいることに続いた欧州国家の大変身だ。いわゆるスウェーデンの福祉モデルを崇拜してきた盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の人々は世界で捨てられているモデルを真似して、「時代精神」云々してきた事実を恥ずかしく思うべきだ。
スウェーデンは福祉国家の代名詞と呼ばれてきたが、表と裏は違っていた。1950年以来、民間部門で働き口がほとんど増えなかった。あふれる失業者に政府が税金で働き口を提供したため、公共部門の就業者が全体の30%も占めた。公式の失業率は6%と発表されたが、統計で除かれた就業研修生、早期退職者、長期病暇者を勘案した事実上の失業率は、15〜17%に達するという。
この10年間政権を握った左派連合のペルソン首相は、規制を増やして企業に重い税金を課した。失業者に3年間財政で支援する失業手当は、就業の時の賃金の80%に上った。このような「大きい政府、大きい福祉」は一見すれば良さそうに見えるが、長続きできない。左派社民党が1932年以後9年を除いて65年間執権して施行した福祉政策のため、スウェーデンは「車輪の抜けたボルボ」という悪名まで得た。このようなことが盧大統領から金槿泰(キム・グンテ)ヨルリン・ウリ党議長まで花咲かせようとしたモデルであり、作りたがっていた国だった。
権五奎(クォン・オギュ)経済副首相は昨年12月、経済協力開発機関(OECD)大使の時代、盧大統領の支持で作成した「スウェーデン福祉国家モデルと時事点」という報告書で、スウェーデンに対して、「福祉と成長の善循環を持ってきた」と誉めたてた。権氏はまた、「(我々も)スウェーデンを見習って、大きい政府を維持しつつ、福祉を中心に対国民サービスを拡大すべきだ」と主張した。金議長もともすると、「(政府が)小さい米国」ではなく「大きいオランダかスウェーデン」を見習おうと述べた。甚だしくは李廷雨(イ・ジョンウ)元大統領政策室長は「公共領域で働く人がスウェーデンは30%に達するのに、我々は5%に過ぎない」と嘆いた。
盧政権はこのような福祉モデルを押し立てて税金の取り立てに忙しかった。透明な公職社会、労使の妥協精神といった長所はさておいて、よりによって「肥大な政府と福祉病」を苦労して学ぼうとしたのが盧政権だ。その中で経済成長力が低下し、所得の格差がさらに広がって、結局庶民が一番苦しい逆福祉時代を迎えているのが韓国だ。






