韓米首脳会談で、ブッシュ米大統領が、対韓安保公約と戦時作戦統制権返還の原則を確認するや、与党ヨルリン・ウリ党では歓呼がわき上がった。金槿泰(キム・グンテ)議長は、「守旧勢力の安保煽動は、虚しい言葉遊びだったことが満天下に明らかになった」と述べ、禹相虎(ウ・サンホ)スポークスマンは、公式論評を通じて、「安保問題を選挙に有利になるよう悪用しようとする守旧保守勢力の策略は、もはや中止しなければならない」と述べた。政権与党の言葉だとは信じがたい歪曲と無責任の極致である。自主で包装された守旧左派の実体が露になった感じだ。
ブッシュ大統領が、「米国は韓半島の安保に責任を負っている」と述べたことは、ぎこちない韓米関係を意識した儀礼的なレトリックに過ぎない。さらに、戦時作戦権問題を「政治問題にすべきではない」と述べたことは、自主と主権を掲げ、戦時作戦権の単独行使を憂慮する人々を守旧冷戦勢力とみなしてきた現政権に対する警告の意味がより強い。
にもかかわらずウリ党は、これを返還反対論者に対する警告であるかのように解釈し、拍手を送った。戦時作戦権返還が生む「安保空白」に対する多くの国民の憂慮を「守旧勢力の煽動」や「選挙利用」と決めつけ、「ブッシュ大統領までこれに対して警告した」というふうに歪曲宣伝をしている。このような政党を責任ある政権与党と考えることはできない。
金議長は先日も、「冷戦守旧勢力の欲の皮がはがれている」、「(冷戦守旧勢力の)政権を狙った政権獲得プロジェクトが稼動したものだ」と述べた。いったい、安保に対する憂慮と冷戦守旧が何の関係があるのか。これは、国民に対する冒とくであり、すべてにおいて政治攻勢と理念対立を常と考える左派勢力の実体を見せつけている。このように逆宣伝や煽動に明け暮れる与党に、これ以上国政を任せることはできないと我々は考える。
今回の首脳会談は、「意見の相違を隠した儀礼に過ぎなかった」というのが一般的な評価だ。北朝鮮問題の解決に向けた「共同包括アプローチ」の合意も、韓米首脳が互いに顔を赤くすることを避けるためのつくろい策に過ぎなかったということだ。しかし与党の人々は、「意味のある合意だった」と自画自賛している。共同包括アプローチについて、「あなたはあなたのしたいように、私は私のしたいようにする」という意味だという自嘲まじりの解釈が出ていることを知っているのだろうか。






