22日午後、ソウル牙山(アサン)病院の応急医療センター。全国で急病患者が最も多い同病院には3〜5分ごとに患者が押し寄せた。廊下まで足の踏み場がないほど患者でいっぱいだった。
急いで心肺蘇生術を受けなければならない30代後半のある患者は病床がなくて、応急室の床に臨時に用意されたマットの上で治療を受けなければならなかった。
ここでは、生命が危篤でない場合、早く手術を受けることはほとんど不可能だ。入院室を求めるのは夢のまた夢だ。50代後半の癌患者の保護者は「3日以上廊下で過ごしたが、もうくたびれた」と話した。癌患者の入院待機時間は60時間以上だ。
同じ時間、ソウルで応急患者が最も少ない漢江誠心(ハンガン・ソンシム)病院の応急医療センター、重装備を整備する途中で指の骨が折れた60代の男性が運ばれると、医療陣はただちに手術に入った。交通事故にあった20代の男性もすぐに診療を受けた。
急に事故にあうか、何かの際に有名病院やソウルなど大都市の大型病院の応急医療センターを訪ねる人が少なくない。しかし、上記の両病院の事例で分かるように、近くの応急医療センターの方がただちに診療を受ける可能性がもっと高い。
東亜(トンア)日報が保健福祉部に登録された圏域応急医療センター16ヶ所、専門応急医療センター4ヶ所、地域応急医療センター50ヶ所の05年の病床稼動率、応急医学の専門医1人当たり診療患者数などを分析した結果も、これと一致する。地域応急医療センターは99ヶ所のうち、福祉部が優秀機関に選定した50ヶ所のみを分析対象とした。
▲ソウルの大型病院に集中する〓昨年、応急患者が最も多かった応急医療センターはソウル牙山病院で1日平均204人だった。次いで、三星(サムスン)ソウル病院が148人で2位を占めた。ソウルの大型病院に応急患者が集中している。仁川(インチョン)キル病院(3位、仁川)、亜州(アジュ)大学病院(4位、京畿水原市)盆唐(プンダン)チャ病院(5位、京畿城南市)など3〜5位は首都圏に集中した。三星ソウル病院の応急患者の35%は地方患者だ。
一方、和順全南(ファスン・チョンナム)大学病院(全羅南道和順郡)は1日平均14人、浦項聖母(ポハン・ソンモ)病院(慶尚北道浦項市)は27人にすぎなかった。ソウル地域でもソウル衛生病院と漢江誠心病院は32人で、応急患者たちが大型病院を好むということが端的に表れた。
▲名声と適切な応急診療は別〓大型病院であるほど応急医学の専門医を多く確保しているが、患者が集中するため、専門医1人当たりの診療患者数は多い方だ。
応急専門医の1人当たりの患者数は漢陽(ハンヤン)大学九里(クリ)病院(京畿九里市)が60人で最も多かった。次いで盆唐ジェセン病院(48人、城南市)、盆唐チャ病院(45人)などの順だった。応急患者が最も多く集中するソウル牙山病院は29人だったが、和順全南大学病院は7人にすぎなかった。応急医療センターの病床稼動率は和順全南大学病院が57%で最も低かった。いつ行っても病床の上で応急専門医の診療を受けることができるという意味だ。病床の稼動率が640%で最も高い盆唐チャ病院を尋ねる急病患者は、病床を占めた患者が6人以上退院してはじめて、病床の上で診療を受けることができる。
応急専門の1人当たりの患者数が少ないか病床稼動率の低い病院はだいたい地方にある。これは地方の応急医療センターを訪ねる患者がソウルなど首都圏の大型病院を訪ねる患者より早い時間に適切な診療を受ける可能性がはるかに高いことを意味する。
▲代案はないか〓応急医療センターは圏域、専門、地域など3種類だ。圏域応急医療センターは別途の入院室と重患者室を取り揃えており、専門応急医療センターは特定の疾患を中心に診療をし、地域応急医療センターは急性疾患を中心に診療する体系だ。
専門家らは応急の状況が発生すれば、先に地域応急センターでただちに手当てを受けた後、医療陣の判断によって大型病院に移すことが賢明だと助言する。
大韓応急医学会の林慶秀(イム・ギョンス)理事長は、「脳梗塞、心筋梗塞、重症外傷などはすべての手当てを1〜6時間で終わらせなければならない」とし、「患者と家族が大型病院に固執して、生命を失う場合が少なくない」と話した。
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