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直接販売市場 中小企業と女性雇用に貢献

Posted August. 05, 2006 03:14,   

小学5年生の娘と5歳の息子をもつ主婦李ソニョンさん(36)は、「ヤクルトおばさん」だ。

李さんは、毎日午前7時から午後12時30分まで、ソウル江南(カンナム)区役所と近隣のマンション3棟を回って、韓国ヤクルトで作った乳酸菌製品を配達する。彼女は、「最近のように暑い日は、仕事を終える頃にはくたくたになるが、子どもたちの教育費と生活費を稼ぐ楽しさがある」と笑った。韓国ヤクルトは今年、史上初めて売り上げ1兆ウォンを上回るものと予想しており、このうち8100億ウォンを李さんのような訪問販売員があげている。

訪問販売と多段階販売で構成された韓国の直接販売市場が速いスピードで成長している。00年に3兆4674億ウォンにすぎなかった市場規模は、昨年8兆ウォン台に急成長した。

●世界第3位の韓国の直販市場

直接販売世界連盟によると、昨年末基準で全世界の直販市場規模は1010億5000万ドル(約95兆9975億ウォン)。

韓国(04年の売上げ基準)は80億3000万ドル(当時の為替1030ウォン基準で約8兆2709億ウォン)で、米国と日本に続き3位だ。この分野に従事する人だけでも、465万人にもなる。

直接販売の韓国経済への貢献度も大きい。

韓国流通学会によると、国内の小売業で直接販売が占める売上げの割合は5.5%。直接販売を通じて生まれた雇用は、176万3800に達する(03年基準)。

光云(クァンウン)大学の林英均(イム・ヨンギュン)教授(経営学)は、「直接販売市場は、独自の販路開拓が困難な中小企業には風穴を開ける役割をしている」と話した。

●女性の雇用創出の効果

昨年、アモーレ・パシフィックの販売王に選ばれた朴ソジェさん(39・女)。

朴さんは最近、後輩社員35人を率いて1ヵ月平均1億2000万ウォンの化粧品を売っている。

平凡な専業主婦だった彼女が、小さな中小企業に劣らない販売組職づくりに成功したのは、アモーレ・パシフィックが実施する定期的な教育が大いに役立った。

「10年前までは子どもを育てるだけで、職業を持ったことはありませんでした。カウンセラーの生活を始め、定期的に教育を受けて自信が持てるようになりました」

直接販売は、創業費用がほとんどかからず、地道な教育を通じて専門性を育てるという長所がある。また、勤務時間が柔軟な点も女性には魅力的だ。直接販売業従事者のうち女性の割合は63%で、男性(37%)を大きく上回る。

●事故の多い多段階販売市場

直接販売市場の展望がバラ色一色ではない。

前の職場の同僚の保証人になって、信用不良者になったソンさん(41)。

ソンさんは、「多段階販売会社をつくった友人から、融資を受けるために保証人になってほしいと言われ、名前を貸した。会社が倒産したために信用不良者になった」とため息をついた。

直接販売市場の一軸である多段階販売(マルチ販売)は、一部の会社の経営陣が詐欺などの容疑で逮捕される事件が相次ぎ、消費者の認識がよくない。多段階販売市場は、02年(5兆5480億ウォン)を頂点に、昨年末には2兆ウォン台に急落した。



jsonhng@donga.com