
柳致環(ユ・チファン)は、「病んだ木のように生命がさいなまれる時、アラビアの砂漠に行こう」と詠った(生命の書・1947年)。
熱砂に向かって旅する人々。23日から29日まで行われる「チリ・アタカマ砂漠マラソン大会」は、参加者らが食料と装備を入れたリュックサックを担いで7日間、250kmを走るサバイバル大会だ。韓国からも12名が参加する。
何が彼らを砂漠に導くのだろうか。
●砂漠が楽しい
李ドンウク(48)さんはチョンドン会計法人代表をつとめる中堅アカウンタントだ。
マラソンを4年間している彼のフルコース最高記録は4時間4分。「Sub4」(4時間未満フルコース完走)が夢だった。しかし、彼は記録にだけこだわる自分に気が付き、夢を変えた。
100kmのウルトラ・マラソンに挑戦し、昨年10月には、サハラ砂漠マラソンを完走した。最終目標地はスフィンクスだった。
「最後の日、遠くにスフィンクスの頭が見え始めた時の感激は、言葉で表わすことができません」
李さんは、「砂漠の真ん中で零れ落ちそうな空いっぱいの星を見ていたらとても幸せで、ずっとそこにいたかった」と話した。
●自分に勝ちたい
カン・スドン(32)さんは経歴13年の中堅振付師だ。コブギ、R.efなど人気歌手の振付を指導する。
登山を楽しむ彼は、「最近の若者たちはインターネットでもしながら何でも簡単に行けるのを好むが、私は自分との戦いに勝って、はるかに広くなった自分に会いたい」と話した。
砂漠マラソン専門家のユ・チソン(36)さんは語る。
「最初は大半が、『何故こんな苦労をわざわざするのか』と後悔します。ところが、数日たつと、帰りたがらないほど幸せを感じます。人間の適応力は驚くべきです」
●美をもとめて
仁済(インジェ)大学上渓白(サンゲ・ペク)病院小児科科長のチェ・ミョンジェ(48)教授は、アラスカ氷河をカヤックで渡り、時間のあるたびにヒップホップダンスを踊る変わり者の医師だ。キリマンジェロ、サハラ砂漠など自分の限界に挑戦しては快感を感じる。
20代よりも若く生きているチェ教授は180cm、80kgの体格を誇るが、10年前までは100kgを超える巨体に、各種生活習慣病に苦しんでいた。
山に行ってはすぐくたびれリュックサックを夫人に任せ自分は這っていたら、「女性に荷物を持たせるなんて」とさげすまれて、それから運動を始めた。
1年半で体重を17kg減らし、5年前から始めたマラソンは、1年に3、4回はフルコースを走る。
チェ教授がアタカマに行くことを決心したのは、「行ってみるまでは死なないで」という本を読んでから。
「アタカマは普通の砂漠とは違います。本当に幻想的な色彩の香煙でした」
彼は、「文明世界と断絶した自然の肌まで自分の足で走ると思ったら、胸がどきどきします」と述べた。
●恐れずに楽しみなさい
経験者たちは、「砂漠マラソンは極端に大変だと思われているが、そうではない。してみる前から恐れる必要はない」と口をそろえて言う。もちろん簡単なことではないが、自分の能力に合わせ走ったり歩いたりしながら楽しめば良いということ。
砂漠マラソンを6回完走したユ・チソンさんは、「個人の能力が50%、装備が20%、精神力が30%だ。登山やトラッキングなどで普段体力を鍛えておけば、誰でも挑戦できる」と語る。
jaeyuna@donga.com






