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[オピニオン]「参加型政府の辞書」

Posted June. 07, 2006 07:17,   

ジョージ・オーウェルの小説『1984年』には、「罪思想(crimethink)」という新語が出てくる。自由と平等の概念に属するすべての言葉が、一言で「罪思想」なのだ。このように言葉を造ることで、考えまで変えてしまおうというのだ。小説の中の「真理省」は、過去の真理を明らかにするという意味ではなく、政府の宣伝に合わせて過去を変える仕事をする。

◆歴史と言語を歪曲し、現実を操作することは、支配勢力の専売特許なのかもしれない。米国の左派雑誌『ザ・ネーション』は、約20年間に渡って力を得てきた右派の言語を扱った「共和主義者の辞書」を出版した。「民主主義=外国へあまりにも多く輸出し、国内供給が底をついた物質」、「神(God)=ブッシュ大統領の最高顧問」、「怠惰=貧しい人が仕事をしないこと」、「レジャー=金持ちが仕事をしないこと」という具合だ。

◆韓国で意味が変わった単語に、「保守」と「進歩」を外すことはできない。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は2年前、「保守とは、力のある人が少々勝手をすることで、進歩とは、共に生きようとすることだ」と、辞書にない解説をした。「韓国で、進歩は左派であり共産主義者だと言って追い詰めることこそ、韓国社会の進歩を阻止するガン的存在だ」とも言った。今年初めに、自分は「左派新自由主義者」と言ったことも、このような発言を背景にしている。ところで昨日、与党ヨルリン・ウリ党の一部では、金槿泰(キム・グンテ)最高委員の議長就任をめぐり、「左派なのでだめだ」という発言が出た。大統領府はよくてか?

◆政治的・歴史的意味を除いて、国立国語院が整理した辞書的意味をみると、「進歩」は、「程度や水準がよくなるか、高まること」である。ところで、左派であり自称進歩的だという現政権の発足後、国の程度や水準がよくなったのだろうか。盧政権が、「改革」立法だと言い張る新聞法、私立学校法、過去史法も、憲法の精神を揺さぶり、自由民主主義を後退させた「改悪」と言わざるを得ない。国民も「参加型政府の辞書」を考えなければならないようだ。ただし、ここで参加とは、「彼らだけのコード」を意味する。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com