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[社説]「同じ民族」でともに踊る韓総連と統一部

[社説]「同じ民族」でともに踊る韓総連と統一部

Posted May. 10, 2006 02:59,   

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統一部は一昨日、いわゆる南北大学生代表者会議に出席するという韓国大学総学生会連合(韓総連)所属の大学生357人に、訪朝を許可した。韓総連は、事前に公開した共同決議文草案で、「民族の頭上に核戦争の暗雲をもたらそうとする反統一好戦勢力を清算しよう」という北朝鮮の主張を繰り返した。言葉使いや用語まで北朝鮮式そのままであり、北朝鮮の核に対しては一言もない。北朝鮮側は討論発題文で、「外勢の合同軍事演習の中止」まで要求した。大学生会議ではなく、親北反米の競演をするということだ。

最高裁判所はすでに、二度に渡って韓総連が利敵団体であるという判決を下した。にもかかわらず統一部は、「(6・15大学生運動本部という)他の団体名で行くため、訪朝を承認した」と説明した。昨年は「個人資格」という理由で、韓総連幹部たちの訪朝を許可した。実定法と最高裁判所の判決までも無視することは、大韓民国の正統性を否定することだ。

そのうえ韓総連は、「強硬左派」を代弁する大学内の少数勢力に過ぎない。特に6・15大学生運動本部は昨年発足し、「今年を在韓米軍撤収の元年にする」と述べ、北朝鮮政権追従勢力であることを明確にした。彼らに大学生代表の資格を与えたのは、北朝鮮と統一部だけだ。

北朝鮮が、韓国の支援のお陰で生き延びながらも大口をたたくのは、政府が北朝鮮の感情を害さないように戦々恐々としているためだ。北朝鮮は昨日、開城(ケソン)を訪れた李鍾奭(イ・ジョンソク)統一部長官の同行記者団に対しても、一時、入国を拒否した。一部の記者が、「拉致被害者」という表現を書いたことがあるという言いがかりだった。昨年は、現代(ヒョンデ)グループに経営陣の交代を要求し、金剛山(クムガンサン)観光を中止させたこともあった。その一方で、米と肥料が欲しい時には、南北会談に応じて利益だけを得てきた。

韓総連の主張は、4・19革命直後の「南に来い、北に行こう」と、南北大学生会の開催を叫んだ当時の一部大学生の感傷的なスローガンと似ている。それを見ず、統一部までも「同じ民族」というスローガンに浮かれていては、国民は政府の対北朝鮮政策をどうして信頼できるだろうか。