
明るい顔だった。ただバー(横木)を跳び越えることが、嬉しい様子だった。3年ぶりにフィールドに復帰した韓国走り高跳びの看板スター、李ジンテク(34、大邱市庁、写真)。
李は25日、光州(クァンジュ)のワールドカップ競技場で行われた第35回全国種目別陸上競技選手権男子一般部の決勝で、2メートル15を跳び、優勝した後、「高跳びは自分の存在理由です。こうやって走れることだけでも、とても幸せですね」と語った。
国家代表チームのコーチだった李ジンテクは今年初め、大韓陸上競技連盟が走り高跳び代表を1人も選ばないのを見て、「それなら私がやってみよう」とし、再び運動靴のひもを締めなおした。韓国新記録の2メートル43まで跳んだ同氏が、2メートル20にも近接できなかった後輩らに手本を見せるため、一肌脱いだのだ。
「本当は、後輩らにもっとしっかりしてもらいたいですね。2メートル20以上を跳ぶためには、まじめにトレーニングに全力を尽くさなければならないのに…。私がアジア大会代表に選ばれるかどうかは分からないが、最善を尽くす考えです。」
98年にバンコク、02年に釜山(プサン)アジア大会でそれぞれ連続優勝した李ジンテクは12月、カタール・ドーハのアジア大会で、走り高跳び3連覇に挑戦する。韓国は李ジンテクのおかげで、86年から男子の走り高跳びだけで5連覇を達成している。だが、体力を以前のレベルに戻すことが急がれる。
李は「体力が回復せず、苦労しています。体力をアップさせ、技術を補強すれば、2メートル25までは跳べると思います」と語った。最近、アジアでトップクラスのレベルは2メートル25〜2メートル27。李ジンテクが全盛期の実力を取り戻すことさえできれば、アジア大会でメダルを獲得できる。
韓国体育大で博士課程(運動力学)を勉強中の李ジンテクは、「ひとまず試合を楽しみたいですね。体調が回復し、記録を取り戻せたら、アジア大会の3連覇に挑戦するつもりです」と話した。引退前には度胸が足りないと言われていた李ジンテク。同氏の顔には、以前にはうかがえなかった自信が感じられた。
yjongk@donga.com






