●「消費者を香りで説得する(?)」
芳香剤としてよく使われるアロエの香りは、本当にアロエの匂いなのだろうか。
そうではない。アロエの香りは、調香師が「アロエはこんな感じだろう」と想像して作った匂いだという。ある生活用品業社が、青葡萄に草の匂いを混ぜて作ったのがアロエの香りになった。
「竹塩歯磨き粉」の香りも同じだ。
「消費者に、『これは本当に竹塩みたいだ』と感じさせる香りと味を想像して作りました。製品のイメージは、匂いで刻み込むのです。」(「LG生活健康」金課長)
調香師らは、ブランドイメージに合った香り一つが、百の美辞麗句よりもはるかに説得力があると口を揃えていう。「知らない女性から、彼の香りを感じた」という広告文のように、一度憶えた香りは忘れられないというのだ。
化粧品・生活用品をつくる業者が、「匂い」に固執する理由がここにある。機能競争に限界を感じた業者が、消費者の感性を刺激する香りに注目している。「LG生活健康」は今年2月、業界初の香り専門研究所「センベリーパヒュームハウス」を設立した。ここには、7000種あまりの香りが保存されている。
「太平洋」は仏・米など香料先進国の専門企業と協力し、世界のどこででも通用する香りを作るという戦略を立てた。
同社のソ・ヒョンジェ香料研究チーム長は、「漢方化粧品には漢方薬の香料、ヘラ化粧品にはギリシアの女神を感じさせる異国的な花の香りなど、ブランド別に香料を使い分けている」と語った。
香りにも流行があるという。香りの流行は、世界のファッションを主導するブランド業者らが香水を通じて先取りしている。
最近は、「ファン(fun)」トレンドに合うような軽快で甘酸っぱい香りが人気だという。そのために石鹸から歯磨き粉、口紅に至るまで、メロンやパイナップルといった熱帯フルーツの香りの新製品が大量に出回っている。
●調香師は理工系の芸術家
「子供の時、ひどい風邪で横になっていても、隣の家から食べ物の匂いがすれば、食べ物の名前を全部口ずさんだものです」(愛敬=エギョン=調香師の李ソンスク代理)
調香師は、その生まれながらの「犬鼻」を自慢する。匂いを一度嗅ぎ、何の香りなのかを一気にいい当てなければならない。数千種の匂いを区別できなければ、香りの調合を通じた幻想的な香りを作り出すことはできない。
調香師には、化学についての知識よりイメージを香りで表現できる創意性が重要で、「理工系の芸術家」と呼ばれる。音で音楽を作るミュージシャンのように、匂いで香りを作る調香師のプライドも並大抵のものではない。
不滅のヒット香水、「シャネルナンバー5」を作った調香師のアーネスト・ボー氏は、香水界の「モーツァルト」だ。
LG生活健康研究所の金部長は、「海外スター調香師の契約金は想像を絶するほどだ」としながら、「新しい香りを作ってくれという注文が世界のあちこちから殺到して、体が十あっても足りないだろう」と語った。
kimhs@donga.com






