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人間の進化を解くカギ、韓日共同研究チームが解明

人間の進化を解くカギ、韓日共同研究チームが解明

Posted January. 02, 2006 03:07,   

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韓国と日本の共同研究チームが、人間と一番近い生物学的な特長を持つチンパンジーのY染色体を半分以上解読することに成功した。人類の進化過程はもちろん、人間とチンパンジーで免疫と感染性疾患や癌が発生するメカニズムがどのように違うかを究明する突破口を開いたと評価されている。

韓国生命工学研究院の朴洪石(パク・ホンソク)博士チームは1日、「日本理化学研究所藤山秋佐父博士チームと共にチンパンジーのY染色体を構成する塩基2300万個のうち、55%の1270万個を解読し、人間のY染色体と比較分析して人間とチンパンジーの進化過程を究明することに成功した」と発表した。

科学技術部の国策研究開発事業の支援を受けた今回の研究成果は、遺伝学分野の世界的な権威誌である『ネイチャー・ジェネティクス』の2日付けのオンライン版に載せられた。

▲チンパンジーには免疫疾患遺伝子がない〓人間とチンパンジーは、500〜600万年前に共通の祖先から分かれた後、独立的な進化過程を経たと思われている。進化の過程で人間とチンパンジーの染色体は多くの変化を経験し、特にオスの性を決定する遺伝子が入っているY染色体が一番大きく変わった。

韓日国際共同研究チームは、チンパンジーのY染色体に19個の遺伝子を見つけて、人間のY染色体(20個の遺伝子)と比べた結果、チンパンジーのY染色体には免疫疾患と感染症に係わる遺伝子(CD24L4)がない事実を突き止めた。

朴博士は「ヒトのCD24L4遺伝子は、免疫疾患、感染症、癌などにかかった細胞の表面で働く」とし、「これはヒトとチンパンジーの関連疾患の発病過程が違うことを意味する」と説明した。

同博士は、「チンパンジーは後天性兔疫欠乏症(AIDS、エイズ)やボケ、マラリアにかからない。チンパンジーだけにある特異な遺伝子を研究すれば、人間の疾病を退治する上でも役立つ」と付け加えた。

▲性文化の違いも現われる〓人間は大部分一夫一婦制だが、チンパンジーは1匹のオスが多くのメスを従える。このような違いはY染色体の進化にも影響を与えた。研究チームは、チンパンジー同士のY染色体の違いが人間同士の違いより少なく、チンパンジーのY染色体が人間よりもっと早く退化するという事実を突き止めた。

朴博士は、「チンパンジーは乱交を通じてオスのY染色体の特徴が数匹のメスに伝えられ、彼らが産むオスの子のY染色体も似ていく」とし、「万一親分のオスのY染色体から遺伝子が無くなれば(退化すれば)、子供のY染色体ももっと早いスピードで退化する」と説明した。

これに先立って研究チームは02年1月、人間とチンパンジーの遺伝体の塩基配列が98.77%同一だという事実を突き止めて『サイエンス』誌に、04年5月にはチンパンジーの22番目の染色体を完全に解読して、同じ機能をする人間の21番染色体と比較分析した成果を『ネイチャー』にそれぞれ発表している。



cosmos@donga.com