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消えつつある「飯場(ハンバ)の思い出」

消えつつある「飯場(ハンバ)の思い出」

Posted December. 03, 2005 04:48,   

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「…手当てを受け取るにせよ、忘れないでほしい/梅雨の飯場の焼酎で、どぶろくで/熱く杯を交わした労働者…」(金ヘファ「勤労者手帳29」)

建設現場の構内食堂を意味する「飯場(ハンバ、日本語の発音と同じ)食堂」は、建設労働者たちにとって食事をする場所以上の意味があった。器用な食堂のオーナーが手渡す飯とどぶろくは、肉体労働に明け暮れる人々に、つらい日常をしばし忘れさせる役割さえ果たした。

時代が変わり、飯場食堂が会社の社員食堂のように変わっている。

特に現代(ヒョンデ)、大宇(テウ)、三星(サムスン)、GSなど大型建設会社を中心に、給食会社が工事期間中に現場で食堂を運営する事例が増えている。業界の推定によると、現在首都圏の建設現場の30%は専門給食会社が飯場食堂を運営しているという。

●メニューの科学化

先月30日午前11時半、ソウル松坡区蚕室洞(ソンパグ・チャムシルドン)蚕室4団地のGS建設の再建築現場内の飯場食堂。

外装は古びているが室内はこぎれいだった。6名の料理人はガウンに帽子までかぶっていた。勤労者たちは支給されたカードをセンサーにかざして食事代(1食3300ウォン)を払った。

「毎日メニューが変わるため、ときどき家内がつくってくれる飯よりうまい」

給食会社のサンラクフードが運営するこの食堂で会った、キャリア12年の掘削機運転手のハムさんは、豚肉炒めをご飯の上にうず高く乗せながらこう話した。

彼は「以前、おばさん数人で簡易飯場食堂をやっていたときは、メニューがおばさん次第だった」と言い、「同じおかずが続くと腹がたったが、給食会社が担当してからそんなことはなくなった」と話した。

●ロマンは消え…

この食堂では、ご飯とおかずはたくさんくれるが、焼酒やどぶろくはない。

作業時の安全を考慮し、退社前の飲酒は禁止されている。飲酒で摘発されれば直ちに現場からの退出を命じられる。

李ジェヨル安全班長は「酒好きの一部の古株は、たびたび現場の外の食堂で飲酒を『試み』たが、今年初めから飲酒測定器を購入し、現場の出入口で不審検問を始めてから、もう冒険はしない」と話した。

おかずを担当するキャリア20年のユン・ソンヒョンさんは、「うるさくなくていいが、人間らしい生活臭は減ったね」と述べ、「以前は、什長たちが食事しながら部下の労働者たちに歌をうたわせたりしたが、今は静かにご飯を食べるだけ」と話した。実際に、同日、労働者70人あまりのほとんどは、7〜10分で昼食を終えた。

ユン氏は「労働者の多くが、月曜日にヘジャンクク(二日酔いに効くスープ)を飲みたがるから、主にモヤシスープなどをつくっておく」と話した。



ddr@donga.com