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[オピニオン]天生縁分

Posted November. 30, 2005 07:19,   

한국어

あるお爺さんとお婆さんが、テレビの単語あてクイズ番組に出演した。お爺さんに司会者の与えた単語は、「天生縁分(天が定めた縁)」。いくつか説明したが、お婆さんはこの単語が思い浮かばない。するとお爺さんは最後に「私たちのような間柄を何と言う?」と聞いた。そう言って4本の指を立てて、4文字であることを暗示した。やっとお婆さんが自信をもって答えた。「生涯の敵」。

◆韓国の先祖は、男女が会って夫婦になることを天の意思と考え、「天定配匹(天が定めた似合いの配偶者)」と言い、仲良く暮らす間柄を「天生縁分」と言った。当時は、離婚がほとんどなかった。天が結んだ相手と別れることは、天への暴挙という考えも作用したのだろう。朝鮮時代の最高法典であった『経国大典』に離婚条項がないことを、天生縁分思想と結びつけて説明する学者もいる。

◆西洋には、このような諺がある。「妻というものは、若い時は恋人で、中年には友人となり、老後は看護婦だ。」その逆も成り立つ。街や旅行先で仲良く歩いている老夫婦を見れば、そのような考えが自然と浮かぶ。結婚式場で並んで立った夫婦の中で、自分の配偶者を天生縁分と思わない人は、ほとんどいないだろう。しかし、昔の話だと言わんばかりに、別れる夫婦が多いのが現実だ。統計庁によると、昨年だけで13万9365組の夫婦が離婚した。

◆数日前、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、李海瓚(イ・ヘチャン)首相に対して、「(彼と私は)天生縁分で、(私は)本当に幸せな大統領だ」と言って、格別の愛情を示した。「大統領級首相」の心強いバックである。李首相は今、チャーター機に乗って中東を歴訪中だ。同日、盧大統領は、「今、大韓民国の国力は、世宗(セジョン)の時の次に隆盛な時代だ」とも言った。李首相が先月、ドイツを訪問したさい、同胞たちの前で「国はすでに盤石だ」と言った発言とも符合する。天生縁分である大統領と首相の「太平聖代」に、多くの国民は、税金、失業、破産、そして家族崩壊のために苦しんでいる。これら国民と大統領は、天生縁分ではないようだ。

宋煐彦(ソン・ヨンオン)論説委員youngeon@donga.com