引退の岐路に立った「韓国マラソンの女王」クォン・ウンジュ(28)がまた走る。
クォン・ウンジュは1997年、朝鮮(チョソン)日報春川(チュンチョン)マラソンで、史上初めて2時間30分の壁を破って2時間26分12秒の韓国新記録を樹立し、彗星のように現われたマラソン界のシンデレラ。しかし、故・チョン・ボンス監督の厳しい訓練の後遺症で、足底筋膜炎、足首骨折、骨盤骨折など相次ぐ負傷に苦しみ、以後、これと言った記録を残せないまま昨年、エリート・マラソン界を去った。
10年間で、フルコースをたった5回しか走れなかったという身体条件のため、事実上、マラソンを止めるつもりだった。しかし、クォン・ウンジュは6月、江原道平昌郡横渓(カンウォンド・ピョンチャングン・フェンゲ)を訪れ、また走り始めた。
「1年休んだら、しつこく付きまとっていた負傷が治ったのです。痛くなくなったら、また欲が出てきました」
クォン・ウンジュは、まだまだ体力訓練の段階だ。1日20〜30kmをゆっくり走りながらレース感覚を思いだし、ウエートトレーニングでパワーを育てる基本的な訓練をしている。
「心を完全に空にしました。まだ具体的な目標はありません。今年の冬季訓練からは、体系的に訓練し、来年3月にハーフマラソン、そして5000mと1万mなどスピードを育てることのできる種目に挑戦した後、コンディションが好転すればフルコースにまた挑戦します」
昨年、三星(サムスン)電子を去ったクォン・ウンジュは、済州(チェジュ)市役所所属で走る。
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