先月、韓国金融市場から手を引いた「ソバリン資産運用」は、約２年間、ＳＫ（株）の株式投資を通じて１兆ウォン近くを稼ぎながら、税金は１４９億ウォンしか払っていない。ソバリンのオーナーであるチャンドラー兄弟は、ニュージーランド最大の富豪になったという。今年初め、第一（チェイル）銀行を売却した米国のニューブリッジ・キャピタルも１兆ウォンほどの収益を上げた。１９９７年の通貨危機以後、韓国の金融市場は外国人投資家には「ドル箱」になっている。英紙フィナンシャル・タイムズが、「韓国は事業をしにくい国だが、魅力的な投資先」という言葉でからかうほどだ。
◆外国の投資家は、世界の金融市場で学んだ最先端知識やテクニックを後進的な韓国の金融市場で思う存分発揮している。金融産業の競争力は、専門的人材にかかっている。スイス国際経営開発大学院（ＩＭＤ）の０４年度の報告書によると、韓国は金融の専門的人材の質的水準が４５位で、香港（１１位）、シンガポール（１５位）より大きく遅れをとっている。専門的人材の割合も９％で、５０％台のシンガポールや香港に比べものにならない。莫大な富の流出は、人材の養成を怠ったせいである。
◆最近は、我が国の金融関係者も国際舞台に通用するプロになるために、努力しているという。米国の公認財務分析士（ＣＦＡ）、財務危機管理士（ＦＲＭ）、保険計理士（ＳＯＡ）など、国際専門資格証を取るために、専門学校に通うのみならず、昼休みにも関連書籍や資料から手を離さないという。会社員が同時に二つのことをやるのがどれほど大変なことかは、やってみた人でなければわからない。彼らが流した汗が、韓国金融の先進化に繋がるのは明らかだ。
◆国民（ククミン）銀行本店の夫婦行員であるチェ・ドンオ代理とソン・ミスク代理がこのほどＣＦＡの資格を取り、周囲の羨望を集めている。３年間、昼耕夜読をして得た二重の慶事だという。ＣＦＡは金融界で３段階の厳しい試験をパスして初めて取得できる財務分野最高の資格証である。このカップルがニュージーランドの金融市場へ行き、チャンドラー兄弟が韓国で稼いだ１兆ウォンの数倍を取り戻してくる神話を創り出してほしいものだ。
林奎振（イム・ギュチャン）記者 mhjh22@donga.com
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