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[オピニオン]モラルの解放区域、KBS

[オピニオン]モラルの解放区域、KBS

Posted July. 30, 2005 03:06,   

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「大きな金槌で頭を殴られたような衝撃だ。母親と一緒にテレビを見ている途中、私は恥ずかしさでぼう然とした」。27日、嫁が姑の頬を打つ信じがたい場面を放送したKBS第2テレビのシチュエーション・コメディー「オールドミス・ダイアリー」に対し、ネットユーザーたちの批判が相次いでいる。姑のために子供がけがをしたと嫁が姑の頬をひっぱたき、息子も母親に「殴られるようなことをしましたね」と言ったという。家族たちと食事をしながら番組を見て、みんなで言葉を失ったというある高校生は「93歳のお婆ちゃんの血圧が上がった」と書いた。

◆制作陣が謝罪文をホームページに発表したが、波紋はさらに広がりそうだ。我が国には憲法より強い「国民情緒法」というがあるからだ。放送法も、放送は国民の倫理的かつ情緒的感情を尊重しなければならず(公正性、公益性)、健全な家廷生活に悪い影響を及ぼしてはならない(公的責任)と規定している。その上にKBSは国民の受信料で運営される公営放送であると同時に国家機関のメディアではないか。

◆「男じゃなく、父親として生きろよ!」「俺だってこれからは幸せになりたい。それも罪だってのかよ」。KBS第2テレビの月・火ドラマ「彼女が帰ってきた」では25年ぶりに冷凍状態から意識を取り戻した女性をめぐって父親と息子が競争する。すでに他人の夫になったかつての恋人との絶えまない葛藤をめぐる内容が、朝から(「危ない愛」)週末まで(「悲しみよ、さようなら」)続く。第2テレビの編成原則は「商業放送のセンセーショナルな番組から国民情緒を保護する精神的なグリーンベルト(安全地帯)構築」だ。最近の第2テレビは精神的グリーンベルトが解除されたモラルの解放区域のようだ。

◆第1テレビは「韓国人の中心チャンネル」を目指すと主張する。しかし、KBS経営評価団は弾劾放送と関連して「特定利害集団を代弁したり、一方をかばうような立場を取ることは存立根拠を危うくする」と批判した。最近では受信料を引き上げて雇用を守ろうという、労使合意さえ取り付けた。KBSが韓国人の「中心」を揺るがして精神まで汚染し、自己の権益だけを守ろうとしたら、全国民がなぜ視聴料を払わなければならないのか疑問だ。

金順徳(キム・スンドク)論説委員yuri@donga.com