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[オピニオン]「200年ぶりの勝利」

Posted July. 08, 2005 05:20,   

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1805年10月21日、ホレイショ・ネルソン提督が率いる英国艦隊(27隻)とナポレオンのフランス・スペイン連合艦隊(33隻)が、地中海西方のトラファルガー岬で対立した。ネルソンは艦隊をふたつに分けて、数的に優勢な敵の背後を攻撃した。ネルソンが下した攻撃命令は、「英国は諸君が各自の任務を果たすことを期待する」という短いメッセージだった。熾烈な戦闘で、ネルソンは狙撃兵の銃を受けて倒れた。勝利を確認したネルソンは、息をひきとる直前、「私は満足しています。神よ、有難うございます。私は任務を果たしました」という言葉を残したという。

◆トラファルガー海戦の207年前である1598年11月19日、「露梁(ノリャン)海戦」で敵弾を受けた李舜臣(イ・スンシン)は、「今や闘いの時だ。私が死んだことを知らせるな」と頼み、眼を閉じたと伝えられている。李舜臣がいたから、朝鮮は日本から国を守ることができた。ネルソンがいたから、英国はナポレオンの侵攻の危険から脱することができた。国を救った名将は、時代と東西を超越して、その姿は似ているようだ。

◆英国ウェストミンスター市にあるトラファルガー広場は、トラファルガー海戦の勝利を称えるために造られた広場だ。一昨日、ここにロンドン市民が集まって「200年ぶりの勝利」に歓呼した。2012年の夏季オリンピックの誘致戦でロンドンが予想を裏切ってパリに勝ったのが、折りしも「ネルソンの勝利」200周年とも重なり、英国人たちは2倍の勝利感を満喫したことだろう。

◆14〜15世紀にわたる「100年戦争」以来、英国とフランスは長い間「因縁の歴史」を有してきた。それゆえ、英国は歓呼し、フランスは悲しみに沈んだ。英国のブレア首相の位相は高まった一方、フランスのシラク大統領は政治的打撃を受けた。2次投票で脱落したニューヨークの票がロンドンに向かったと分析され、米国・英国・フランスの関係も再照明される。ネルソンは地下でこのような「200年ぶりの勝利」をどう見ているだろうか。

チョン・ジンウ論説委員 youngji@donga.com