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[社説]「思想戦」の拡大は解決策にならない

[社説]「思想戦」の拡大は解決策にならない

Posted December. 12, 2004 22:58,   

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ヨルリン・ウリ党の李哲禹(イ・チョルウ)議員の民族解放愛国戦線(民解戦)加入事件が、与野党の思想戦に広がる様相だ。ウリ党は、これをハンナラ党による「新公安政局画策陰謀」と見なし正面対決を宣言した。これに対抗してハンナラ党は、元運動家の与党議員の経歴も問題視しようとしている。このままでは、政界はもとより、社会全体に再び理念論争の狂風が吹き荒れる恐れがある。解決策を見出さなければならない。

与野党いずれも事案を拡大してはならない。核心は、李議員に対するいくつかの疑問点を解消することにある。すでに刑を終え、赦免・復権し、有権者の審判まで受けたというが、疑惑が提起された以上、これを解くことが正しい。彼が国政を担う政権与党の議員であるため、この程度は決して苛酷だとは言えない。究明作業も難しいことではない。当時の記録もあり、捜査、裁判関係者や証人もみな生きている。客観的で公正な方法で調査すればいいことだ。

にもかかわらず、ウリ党はこれを「(80年代)民主化勢力対公安勢力の対決」と規定し、「(公安勢力との)闘いは避けられない」と声を高める。ハンナラ党もこれに負けじと「他の議員の経歴も全て明らかにすべきだ」と叫び、政権与党がまるで転向不明な「左派たちの巣窟」であるかのように追及する。どちらも理性的な政党の姿とは程遠い。

不幸な80年代がこのように政争の道具になるのは残念だ。民主化勢力であれ公安勢力であれ、思想戦に没頭してもいい程、過去一時の逸脱から自由かどうかは疑問である。評価は、国民と歴史が行なう。今は各自の職分に忠実でなければならない。李議員に対する疑惑を一日も早く解消し、国会を正常化させることが正しい。臨時国会が空転し、来年の予算案が論議されない状況で、与野党いずれも思想戦をする資格があるのか問いたい。