Go to contents

[オピニオン]40代の出家、入山

Posted October. 21, 2004 23:46,   

単純に家を飛び出すことを家出と言い、僧侶になるために家を出ることを出家と言う。俗人は腹立ちまぎれに対策なしで家を飛び出すが、出家者は世の中を済度するという大きな意志を抱いて家を出る。俗人と出家者は山に向かう心得から差がある。俗人は景観を眺めながら頂上征服のため登山に出るが、出家者は山の教えに耳を傾け、山に似るため入山するのだ。

◆出家には、10代前後の「童真出家」と、40代前後の「晩学の人」とも言える場合がある。幼い頃から寺で暮らしながら自然に出家するのが童真出家で、社会生活をしている途中、生に懐疑を感じたり、得道に対する発心で俗世間とのすべての縁を切って出家するのが後者だ。軍隊で歳が何の関係もないように、寺でも歳が多いからとの理由で大目に見てくれることはない。寺ではほうろう(法臘・僧侶になった年数)が階級なのだ。

◆経済不況が長期化し、社会不安が深刻になるにつれ、40代以上の高学歴の出家者が大いに増えていると言う。帯妻宗団である太古宗の場合、今年、史上最大である281人が僧侶になるための初段階である行者教育課程に入って来たが、40代以上が3分の2を越えた。校長を勤めた教育者、病院院長、上級公務員、大企業幹部、修道女出身、演劇俳優などが含まれていたそうだ。「食べて行く」ためでなく、「まともに生きる」ために出家した人たちが多いということだ。比丘宗団である曹渓宗は、為替危機以後、高齢出家者が増えるや、2年前から出家者の年齢を40歳に制限した。

◆行者教育場には不意に家を出た夫と妻、または子供を捜すため、親や配偶者が尋ねて来る場合が少なくない。涙を流しながら家に帰るよう説得するが、出家者たちの意志は変わらない。しかし、出家者の苦行はこれからが本番なのだ。まともな僧侶になることが、俗世間で悩まされながら生きるよりずっと大変だということを、徐々に骨身にしみるように悟っていく。勉強も大変だ。いくら俗世間で生きるのが大変でも、「逃避性出家」は決して解決策ではない。

呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員oscar@donga.com