
元日本自衛隊員のAさん(55)は、前立腺ガンで闘病中だ。前立腺ガンの指標である前立腺特異抗原(PSA)数値は1600を上回った。普通PSA数値が4を上回ると、ガンと疑って精密検査を勧める。
ガン細胞は骨に転移し、肺まで進行した。苦痛も苦痛だが、5年以内に死亡するという告知が絶望的だった。医師は数種類のホルモン治療剤を処方した。
ホルモン治療をして2年余り。奇跡が起きた。いまだに治療を受けているものの、体からガン細胞はほとんど消えた。PSA数値も0.08にまで下がった。
今月初め、ハワイ・ホノルルで開かれた第27回国際泌尿器科学会(SIU)で発表された治療事例だ。全世界約5000人の泌尿器科の医師が出席した今回の国際学会では、ホルモン治療の効果に関する発表が多かった。
▲韓国、早期発見少ない〓健康検診が活性化し、国内でも前立腺ガンを早期発見する場合が多い。しかし今回発表された多くの論文を総合すると、米国や欧州、日本などに比べて、まだ国内の早期発見の割合は低いことが分かった。
PSA検査が活性化している米国や日本では、前立腺ガン患者の70〜80%が初期に発見されている。残りも大部分が初期から中期に進行する段階で発見される。
一方国内では、前立腺ガン患者の50〜60%が中期に入った後に発見されている。末期に発見される場合も少なくない。
病気初期ならガン細胞は前立腺内部にあるため、該当の部位だけを手術で切除すれば、性機能の障害なしにほぼ完治される。しかし中期に入れば、手術をしても25%ほどは再発して、ホルモン治療や放射線治療を受けなければならない。
▲生活の質を高めるホルモン治療〓ホルモン治療は、男性ホルモンを遮断して、ガン細胞の成長を遅らせる。国内では、ガン細胞が骨に転移したり、痛みがひどい場合や手術が終わった時などに、主に補助療法として行なわれる。
今回の学会では、ホルモン治療が苦痛を和らげ、生活の質を高めながら寿命を延ばす効果が高いという報告書が、イスラエルや米国など、いくつかの国家で発表された。ホルモン治療による完治は難しいが、生活の質が大きく改善したということだ。
さらに最近日本では、完治を目的にホルモン治療を試みている。現在、初期または中期の前立腺ガン患者の約60%をホルモンで治療する。米国は約20%。
▲残された課題は〓短期間に効果が見られるが、長期使用の場合、性機能障害、うつ病、骨粗しょう症、肝臓の損傷などの副作用が起りえる。このため、これら副作用を抑える研究が行なわれている。
またホルモンに耐性ができて、後に薬が効かなくなる場合もある。こうなればガン細胞が再発する。いつ、どの程度の量で、どの程度使用するのが最適なのか、多様な研究が試されている。
金相勳 sunjung71@hotmail.com






