お金の価値が下がり、百万長者はおろか億万長者でもものをいえなくなった。財産が数十億ウォンや数百億ウォンあってはじめてやっと金持ちと言われる。一日に100万ウォンずつ使い切るとしても一年でわずか(?)3億6500万ウォンを消費するだけではないか。というわけで、普通の人たちが「一生、経験できる」数字の単位は、せいぜい一・十・百・千・万・億程度だ。実際、一千万ウォン台の小切手での取引をしたことのない人が山ほどある。
◆韓国内の経済統計に、億と兆に続いて「京(けい)」が登場した。0が16個も並ぶ。昨年、国内の金融会社で扱った派生商品の規模が、初めて京の単位を突破したためだ。普通は、売買に伴う差額だけを決済するため、この金額が実際に動くわけではない。とはいっても、普通の人にとっては、想像もつかないほどの大金だ。日を追うごとに増えるばかりの賄賂の金額や当初の4兆ウォンから最高で103兆ウォンにまで膨らんだ首都移転費用のこともあって、単位についての不感症が深まるのではないかと心配になる。
◆数字の世界は限りなく広がる。兆、京の次は、垓(がい・10の20乗)、杼(し・同24乗)、穣(じょう・同28乗)、溝(こう・同32乗)、澗(かん・同36乗)、正(せい・同40乗)、載(さい・同44乗)、極(ごく・同48乗)と続く。この後は仏門の世界になる。10の52乗である「恒河沙(ゴウガシャ)」はガンジズ河にある無数の砂のような多い数量という意味だ。10の56乗は「阿僧祗(あそうぎ)」、60乗は「那由他(なゆた)」と言う。64乗である「不可思議(ふかしぎ)」は数えられないほど多いという意であり、その億倍の「無量大数(むりょうたいすう)」は、阿弥陀仏とその世界に住む人たちの寿命が限りなくあることを指す。
◆これらより大きい数字は「グーゴル(googol)」だ。米国の数学者エドワード•カスナーが、全宇宙に存在する原子数を合計して取り出した数値だ。1の後に、0が100も付く。100年間韓国に降り注ぐ雨粒の数も、グーゴルより少ないという。カスナーは1の後に、0が10億の二乗分だけ付く「グーゴルプレックス(googolplex)」を創り出した。宇宙にある星を出発して地球まで最も遠い道で帰りながら、0を書き続けても書き切れないという。想像を絶するものだ。
呉明哲(オ•ミョンチョル)論説委員






