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テロ警報シンドローム

Posted October. 10, 2004 23:43,   

国際テロ組職であるアルカイダが、韓国を主要テロ対象国家リストに載せたという報道が出た後、一般の市民たちがテロ問題に敏感に反応している。また各企業は有事の際に備えて対策作りに苦心している。

▲テロ警戒令拡散〓ソウル鐘路区(チョンログ)に位置するある海外通信会社は最近、事務室の入口で外部の人の身元確認手続きを実施している。社員が普段休憩場所として自由に利用している後門にも、電子出入り管理システムを設置して保安要員を追加配置した。

また同会社は、人工衛星を通して数十秒から数分単位で変更する個人別識別番号を送信、これを受信して表示するチップの組み込まれた身分証を社員に配布した。社員は社内電算網に接続する度に、同識別番号を入力して自分の位置を本社に知らせて接続認可を得る。

ソウル中区小公洞(ソゴンドン)に位置するある国際金融与信会社は今月初め、全社員を対象にテロに備えて訓練を行った。模擬テロ状況が発令されるや、同会社の社員30人余りは主要資料を移動用のメモリー装置にバックアップして、あらかじめ分類しておいた主要書類を揃えるなど、各自与えられた役目で建物を迅速に脱出した。事前に決めておいた近くのホテルに全社員が待避するまでかかった時間は15分。米国本社から送られたマニュアルには、それぞれの段階的行動にかかる予想時間が明示されている。

一部の国内大企業は有事の際に備えて、国内主要保険会社で補償商品を捜すのに忙しい姿だ。国内最大保険会社の一つであるL社の関係者は、「韓国がテロ対象国に名指しされているというニュースが出た後、1日に10通以上テロと関連する保険商品を問う電話に出ている」と話した。

▲不安な国内外国人〓警察当局は「韓国がテロ安全地帯ではないというニュースが伝わった後、テロ関連の届け出が急増している」とし「ちょっとした通報にも徹底対応している」と話した。

消火器と防毒マスクなどを販売するH消防会社は、「販売サイトでの『防毒マスク』という単語の検索回数が、先週だけで40%以上増えた」とし「一週間に1個程度売れていた防毒マスクが、一般人にこの1週間だけでも10個以上売れた」と話した。

国民の不安が増幅するや、国家情報院は「テロ犯識別の要領」というパンフレットを発刊して仁川(インチョン)国際空港と主要駅に配布した。パンフレットには「下半身に比べて過度に腰が太い人」、「季節に相応しくない、厚くて長い上着を着た人」など、爆弾を身体に隠しているかも知れない人を注意深く見付けよという内容もある。

テロ警戒令後、韓国に住むイスラム係居住者らも不便を感じている。彼らは頻繁に警察の検問を受けるかと思えば、一部の韓国人から悪口を叩かれたりもする。

パキスタン出身の貿易業者シャリク・サエド氏は「正体も明らかではないテロ団体と、イスラムとは全く違うという事実を分かってほしい」と訴えた。



金栽瑩 鄭世鎭 jaykim@donga.com mint4a@donga.com