盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が、独裁時代に不法行為を犯した国家機関の告白を求めたことで、国家情報院(国情院)、軍、検察、警察に「歴史の台風」が吹き荒れる見通しだ。盧大統領は、金大中(キム・デジュン)政権時代に与野党合意で発足した第1、2期疑問死真相究明委員会の活動範囲を超え、過去の疑惑事件に対する全面的な再調査を始めるつもりのようだ。
独裁時代に起こった疑惑事件の真相を正し、無念の死の恨みを晴らすための再調査に、反対する理由はない。崔鍾吉(チェ・ジョンギル)元ソウル大学法学部教授の疑問死事件などで、国情院、軍機務司令部(機務司)が疑問死委の調査に積極的に協力せず、葛藤を拡大させたことは残念である。しかし、歴史の究明が、捜査情報機関の過去を無制限に覆すやり方で進められるなら、国家安保機能が萎縮する事態を憂慮せざるを得ない。
捜査情報機関は、独裁政治時代に政権安保を遂行する過程で、少なからぬ人権蹂躙(じゅうりん)を犯した。しかし同時に、北朝鮮の赤化統一戦略に対抗して、自由民主主義体制を一線で守護する責務を遂行した。捜査機関の歴史の扱いにおいて、両面はバランスを持って考慮されなければならない。
国情院が大統領の言及に応えて、市民団体が参加する「過去事件真実究明発展委員会」を構成することを明らかにした。この場合、民間団体に軍や国情院の敏感な国家機密が漏れる可能性を排除することができない。これら機関の自尊心と士気に対しても、十分な考慮が必要だ。国情院の調査対象にスパイ事件まで含める場合、捜査過程の拷問や捏造の如何を巡り、理念論争の渦に巻き込まれる恐れもある。再調査が実施されても、その対象は具体的な事件に最小化されなければならない。国家機関の業務全体が再調査の対象になれば、混乱は大きくなるだろう。
国家機関の再調査には前提がある。現政権勢力の正統性を強化し、旧政権の延長線上にある政治勢力の弱体化を狙う政治的意図が介入してはならないということだ。






