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韓国経済に「半導体の錯視現象」

Posted June. 30, 2004 22:16,   

最近、韓国経済に「半導体の錯視現象」が現われている。韓国経済の最大の「ドル箱商品」の一つである半導体が生産・輸出など経済に占める比重が高くなるにつれて、国民が実際肌で感じる景気より経済指標が水増しされて見えるのだ。

半導体の好況が経済回復に大きく寄与できるという長所もあるが、偏った成長構造で経済の不安定性が高くなって全体的な景気判断を難しくしているという憂慮も少なくない。

30日、統計庁と韓国銀行などによると、5月の産業生産指数(126.7)は去年同じ月に比べて13.5%という高い増加率を見せたが、半導体(254.0)を除けば5.7%増に止まった。同期間、半導体は67.9%という爆発的な増加傾向を示した。

生産者出荷指数(126.7)も去年5月より11.0%増加したが、半導体(232.9)を除けば4.8%増に止まった。

5月中の製造業稼動率も、前年同月比5.1%の増加傾向を見せた。これも半導体部門の高い増加率(24.4%)に支えられたところが大きかった。

これに歩調をあわせて半導体が全体輸出に占める比重もまた10%を上回った。

韓国銀行が29日に発表した「5月国際収支動向」によると、5月の半導体輸出金額は去年5月に比べて69.6%増の23億6000万ドルと集計された。

半導体の輸出が全体輸出(208億4000万ドル)に占める比重は、去年5月の9.5%に比べて1.8%ポイント上がった11.3%に達した。

1990年代以降、国内産業の主力品目に浮上した半導体は1994〜95年、1999〜2000年の輸出比重が15%に迫るなど経済に与える影響力が過度に大きくなり、錯視現象を起こしたことがある。

民間経済専門家らは半導体など一部業種にだけ依存する景気の流れは韓国経済の変動性を高めるだけでなく、設備投資を阻害する要因にもなると指摘した。

韓火(ハンファ)証券投資分析チームの洪椿旭(ホン・チュンウク)チーム長は「半導体など韓国経済を導いている一部品目の輸出好調勢が下半期に米国の金利引き上げ、中国の緊縮政策などで鈍化する可能性がある」とし「半導体による錯視現象は景気状況に対する正確な分析を阻害する可能性がある」と話した。



申致泳  higgledy@donga.com